「省スペースと低消費電力を実現した高機能のパーソナル16ビット」
PC-9801ではコンパクトなUシリーズの方が人気があった。このPC-9801UV11は、UV21のモデルチェンジ版で、見た目の印象はとても小さい、ということだ。基本縦置きにして使う、ということのようだ。
UV11は、RA/RS/RXが全盛期だった頃も人気が高く、納期まで数ヶ月待ちとなったことがあるという。RA/RS/RXシリーズは価格が高かったことも関係していそうだ。
本機からは、カセットI/Fボードは使用不可となっている。
PC-9801UV11スペック
- CPU
μPD70116-10(V30) 10/8MHz
※切り替えて使用。 - コプロセッサ
i8087
※メインCPU8MHz時のみ使用可 - ROM
N88-BASIC(86)及びモニタ96KB - メインRAM
640KB。最大6.6MB(拡張スロット内増設) - VRAM
256KB - テキストRAM
12KB - サウンドRAM
16KB - テキスト表示
80文字×25行、80文字×20行 40文字×25行、40文字×20行
※上記のいずれかを選択可
文字及びグラフィック記号(248種)
キャラクタ単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、カラー8色 - カラーグラフィックス表示
640×400ドット時2画面
640×200ドット時カラー4画面
※4096色中16色表示(アナログRGBディスプレイ接続時)
※8色表示(デジタルRGBディスプレイ接続時) - モノクログラフィックス表示
640×400ドット時8画面
640×200ドット時16画面 - 画面合成
テキスト画面/グラフィックス画面合成時優先順位設定可 - バックグラウンドカラー
8色指定可 - 漢字表示
文字構成:16×16ドットゴシック体。
テキスト画面/グラフィックス画面どちらにも表示可
JIS第一水準2,965種/第2水準漢字3,384種、非漢字885種、
ユーザー定義文字188種設定可。
画面構成:40文字×25行、40文字×20行 - ビデオ出力
アナログRGBセパレート信号出力(75Ωアナログインタフェース、カラー)
RGBセパレート信号出力(TTLインタフェース、カラー)
コンポジットビデオ信号出力(輝度変調、モノクロ) - キーボード(スカルプチャータイプ)
JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、10ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー
セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続) - FDD
3.5インチ2HD/2DD2台内蔵 - FDD増設
3/4台目外付けI/F内蔵(2HD) - HDD
使用可(I/Fボード別売) - プリンタI/F
8ビットパラレルインタフェース。セントロニクス社仕様準拠 - シリアルI/F
RS-232C準拠 - マウスI/F
バスマウス仕様 - サウンド機能
FM音源3音/SSG音源3音の計6重和音8オクターブ標準装備
スピーカー内蔵
外部スピーカー接続端子内蔵 - 拡張スロット
2個(16ビットのCバス仕様) - カレンダ時計
電池によるバックアップ - 電源
AC100V±10%、50/60Hz - サービスコンセント
1個 - 温湿度条件
10~35℃、20~80%(但し結露しないこと) - 外寸法
本体:(W)305×(D)240×(H)87㎜
キーボード:(W)435×(D)180×(H)34㎜ - 重量
本体:5.1kg
キーボード:1.2kg - 主な添付品
ガイドブック、ハードウェアマニュアル、N88-日本語BASIC(86)ユーザーズマニュアル、N88-日本語BASIC(86)リファレン スマニュアル・N88-日本語BASIC(86)プログラミング入門、N88-日本語BASIC(86)リファレンスブック、キーボード、アース線、電源ケーブル、保証書、お客様登録カード、ケーブルラベル、サービス網一覧表、グリーティングカード、N88-日本語BASIC(86)システムディスク、ユーティリティプログラムディスク、PCトレーニングディスク、未使用フロッピー1枚 - 発売
1988/03 - 価格
265,000円
コストパフォーマンスは高いマシン
PC-9801の中では随一コストパフォーマンスが高く、お買い得だったことは間違いない。但し、初めてPC-9801を購入するとすれば、の話で、すでにPC-9801を持っている人にはこのマシンに買い換える必要性はない。
増設RAMの互換性がないのはよくない。UV11は、Uシリーズの中では唯一、サウンドメモリの切り離しが利かず、この領域を使う増設メモリの使用ができない。増設メモリをUV21等から流用できず、買い換えざるを得ないのではEMSの設定もできない。どうもPC-9801はモデルチェンジの度お金がかかるようにできているようだ。
また、この大きさでHDDを内蔵させることも技術的にはそれほど難しいことではないだろう。HDDを含めたコンポーネントが組めれば良いのだが、このままでは「一坪マシン」から一歩も出られない。
寸評:パソコン入門用としてもお勧め
結論
いろいろいわれるPC-9801だが、ベストセラーになるにはなるだけの理由がある。他社のマシンを持っているユーザーもこのマシンを持っていると何かと重宝すること間違いなかろう。