PC-9801UV2 ※1986/5発売

「ビジネス機能をコンパクトに擬縮したパーソナル16ビット」

不人気機種のU2は1年程度でモデルチェンジされ、RAMの128KBから384KBへの増量、VRAMを倍増化し16色ボードの標準装備により640×400ドット時4096色中16色表示で2画面、FM音源サウンドの標準化、2HDと2DDの両用FDDの搭載と、コンパクト16ビット機としては大幅にバージョンアップされた。つまり、5.25インチのFシリーズとVMシリーズ以上の違いがあり、2万円のアップで発売されたのである。

NECはフロッピーを変更するのが好きなメーカー、という人もいたが、実際に、8インチのフロッピー、5インチの2HDと2DD、3.5インチの2HDと2DDと、5種類も記録メディアがあり、特に過渡期は混乱が生じたこともあった。

3.5インチの2HD FDD機が新たにラインナップに加わり、市販ソフトの動作条件には「VM/UV以降」と書かれるようになった。

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PC-9801UV2スペック

PC-9801UV2カタログ
  1. CPU
    μPD70116-10(V30) 10/8MHz
    ※切り替えて使用。
  2. コプロセッサ
    i8087
    ※メインCPU8MHz時のみ使用可
  3. ROM
    N88-BASIC(86)及びモニタ96KB
  4. メインRAM
    384KB。最大640KB。
    ※メモリ増設時は専用スロット内にPC-9801-21K(128KB)を使用すると拡張スロットを占有しない。
  5. VRAM
    256KB
  6. テキストRAM
    12KB
  7. サウンドRAM
    16KB
  8. テキスト表示
    80文字×25行、80文字×20行 40文字×25行、40文字×20行
    ※上記のいずれかを選択可
    文字及びグラフィック記号(248種)
    キャラクタ単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、カラー8色(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。
  9. カラーグラフィックス表示
    640×400ドット時2画面
    640×200ドット時カラー4画面
    ※4096色中16色表示(アナログRGBディスプレイ接続時)
    ※8色表示(デジタルRGBディスプレイ接続時)
  10. モノクログラフィックス表示
    640×400ドット時8画面
    640×200ドット時16画面
  11. 画面合成
    テキスト画面/グラフィックス画面合成時優先順位設定可
  12. バックグラウンドカラー
    8色指定可
  13. 日本語表示
    文字構成:16×16ドットゴシック体。
    テキスト画面/グラフィックス画面どちらにも表示可
    JIS第一水準2,965種/第2水準漢字3,384種、非漢字885種標準搭載。
    ※拡張漢字(388種)はオプション
    ユーザー定義文字188種設定可。
    画面構成:40文字×25行、40文字×20行
  14. ビデオ出力
    アナログRGBセパレート信号出力(75Ωアナログインタフェース、カラー)
    RGBセパレート信号出力(TTLインタフェース、カラー)
    コンポジットビデオ信号出力(輝度変調、モノクロ)※ライトペン接続可
    家庭用テレビ出力可(別売TVアダプタ経由)
  15. キーボード(スカルプチャータイプ)
    JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、10ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー
    セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続)
  16. FDD
    3.5インチ2HD/2DD2台内蔵
  17. FDD増設
    3/4台目外付けI/F内蔵(2HD)
  18. HDD
    使用可(I/Fボード別売)
  19. プリンタI/F
    8ビットパラレルインタフェース。セントロニクス社仕様準拠
  20. シリアルI/F
    RS-232C準拠
  21. マウスI/F
    バスマウス接続可
  22. カセットI/F
    オプション、拡張スロットに内蔵(PC-9801-13)
  23. サウンド機能
    FM音源3音/SSG音源3音の計6重和音8オクターブ標準装備
  24. スピーカー内蔵
    外部スピーカー接続端子内蔵
  25. 拡張スロット
    2個(16ビットのCバス仕様)
  26. カレンダ時計
    電池によるバックアップ
  27. 電源
    AC100V±10%、50/60Hz
  28. サービスコンセント
    1個
  29. 温湿度条件
    10~35℃、20~80%(但し結露しないこと)
  30. 外形寸法
    本体:398(W)×335(D)×87(H)㎜
    キーボード:435(W)×180(D)×34(H)㎜
  31. 重量
    本体7.2kg
    キーボード1.2kg
  32. 消費電力
    100W(最大120W)
  33. 添付品
    ガイドブック、ユーザーズマニュアル、リファレンスマニュアル、リファレンスブック、N88-BASIC(86)システムディスク、デモンストレーションプログラムディスク、モノクロディスプレイケーブル、お客様登録カード、サービス網一覧、保証書
  34. 発売年
    1986/5
  35. 本体標準価格
    318,000円

U2時代からのプラズマディスプレイは298,000円であるが、モノクロ液晶に比べると画質が落ちるため、広告でも見かけなくなった。また、筐体は金属製だから、持ち運んで使うのには全く適してなく、これも広告では見かけなくなった。

メインメモリは384KB標準搭載なので当時のほとんどのアプリには十分だ。また、VRAMが倍増化したので、VMのアプリと共通化した。こうなるとU2とは何だったのか?と思う人もいるだろう。

V30のCPUクロックは10/8MHzにアップされ、付属のデモンストレーションは10MHzにするとちょうど良いアニメーションとFM音源の組み合わせになっていた。なお、ジョイスティックポートはなく、その部分はカバーで塞がれている。

拡張スロットは2個だが、一つにはハードディスクインタフェース、もう1個にはRAMボードを入れるという使い方でかなりの力を発揮できた。

寸評:真の3.5インチFDDスタンダード機

結論

このPCはPC-9801の中で随一のコストパフォーマンスでお買い得であるのは間違いない。また、FM音源が標準装備であることから、ゲームもするのであれば買って損はないだろう。ただ、3.5インチのFDはまだ5インチより倍位していたから、それだけが唯一のネックだったが、1~2年程度で大差はなくなっていった。

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