「高機能を凝縮した3.5インチタイプのビジネス標準機」
1987年10月発売のPC-9801UXは、i80286を搭載した3.5インチFDDマシンで、拡張スロットが3個に増えたので、その分高さが増した。
また、3.5インチFDDモデルの特徴であるFM音源サウンドが標準搭載されている。また、マウスコネクタが前面に移動した。
PC-9801UX21/UX41スペック
- CPU
i80286 10/8MHz。
V30 8MHz
※切り換えて稼働。 - コプロセッサ
i80287
※i80286稼働時のみ使用可
i8087
※V30稼働時のみ使用可 - ROM
N88-BASIC(86)及びモニタ96KB - メインRAM
640KB。 - VRAM
256KB - テキストRAM
12KB - サウンドRAM
16KB - テキスト表示
80文字×25行、80文字×20行 40文字×25行、40文字×20行
※上記のいずれかを選択可
文字及びグラフィック記号(248種)
キャラクタ単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、カラー8色 - カラーグラフィックス表示
640×400ドット時2画面
640×200ドット時カラー4画面
※4096色中16色表示(アナログRGBディスプレイ接続時)
※8色表示(デジタルRGBディスプレイ接続時) - モノクログラフィックス表示
640×400ドット時8画面
640×200ドット時16画面 - 画面合成
テキスト画面/グラフィックス画面合成時優先順位設定可 - バックグラウンドカラー
8色指定可 - 漢字表示
文字構成:16×16ドットゴシック体。
テキスト画面/グラフィックス画面どちらにも表示可
JIS第一水準2,965種/第2水準漢字3,384種、非漢字885種、拡張漢字(388種)。
ユーザー定義文字188種設定可。
画面構成:40文字×25行、40文字×20行 - ビデオ出力
アナログRGBセパレート信号出力(75Ωアナログインタフェース、カラー)
RGBセパレート信号出力(TTLインタフェース、カラー)
コンポジットビデオ信号出力(輝度変調、モノクロ)※ライトペン接続可
家庭用テレビ出力可(別売TVアダプタ経由) - キーボード(スカルプチャータイプ)
JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、10ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー
セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続) - FDD
3.5インチ2HD/2DD2台内蔵 - FDD増設
3/4台目外付けI/F内蔵(2HD) - HDD
UX21にはHDD内蔵可能(PC-9801UX-31)
UX41は20MBのHDDを内蔵(SASI)
※外付けHDD増設可(SASI) - プリンタI/F
8ビットパラレルインタフェース。セントロニクス社仕様準拠 - シリアルI/F
RS-232C準拠 - マウスI/F
バスマウス対応 - 対応カセット(CMT)I/F
オプション、拡張スロット内実装可(300ボー/1200ボー)
※V30モード時のみ使用可 - サウンド機能
FM音源3音/SSG音源3音の計6重和音8オクターブ標準装備
スピーカー内蔵
外部スピーカー接続端子内蔵 - 拡張スロット
3個(16ビットのCバス仕様) - カレンダ時計
電池によるバックアップ - 電源
AC100V±10%、50/60Hz - サービスコンセント
2個 - 温湿度条件
10~35℃、20~80%(但し結露しないこと) - 外形寸法
本体(W)398×(D)335×(H)128㎜
キーボード(W)435×(D)180×(H)34㎜ - 重量
UX21:7.8kg
UX41:9.1kg
キーボード1.2kg - 消費電力
100W(最大120W) - 添付品
グリーティングカード、キーボード、電源ケーブル、ガイドブック、ハードウェアマニュアル、N88-日本語BASIC(86)関連マニュアル(ユーザーズマニュアル、リファレンスマニュアル、リファレンスブック、プログラミング入門)、N88-日本語BASIC(86)システムディスク、ユーティリティプログラムディスク、PCトレーニングディスク、未使用ディスク、保証書、お客様登録カード、ケーブルラベル、サービス網一覧表、PC-VAN申込書 - 本体標準価格
318,000円 - 発売年
1987/10
PC-9801は、型番の後ろに「1」がつくモデルは最終モデルである。UXは最初から最終モデルで出た、ということとなり、後継機種は別の型番になることとなった。
このモデルからV30が8MHz固定となり、扱いが軽くなっている。
PC-9801UX21/UX41ラインナップ
- PC-9801UX21
3.5インチFDD×2台
HDD内蔵可(SASI)
重量7.8kg
価格348,000円 - PC-9801UX41
3.5インチFDD×2台
HDD20MB内蔵済み(SASI)
重量9.1kg
価格545,000円
このマシンは、5インチFDDのVXよりも8万円以上も安く、VXではHDD内蔵できないが、UXは内蔵できる。
NECはV30をメインに使うことはあきらめたような印象がある。3.5インチFDD内蔵モデルは何時もリリースが遅かった。内蔵FDDの違いだけで半年以上もリリースが遅れるという不思議なことがRシリーズまで続いた。
寸評:3.5インチFDD内蔵型286マシンの標準機
結論
PC-9801の中では随一コストパフォーマンスが高く、お買い得マシンであることは間違いない。新VXと違い本体内にHDDが内蔵できる。またFM音源が標準装備であることから、ゲームもするなら買って損はないだろう。ただ、まだ3.5インチFDの値段が高かったのが一つのネックだった。但し、本体が新VXと比べ9万円安いため、別途外付けの5.25インチFDDを接続しても価格的には悪くなかった。