PC-9801VM11 1988/11発売

「あらゆるオフィス業務を手堅くこなす実力派16ビット。」

VMシリーズ後期に当たるVM11で、VM中期のVM21よりも6万円以上安くなり、性能は変わらないが、筐体をRシリーズと同じものにしたのが外見上の違いだ。また、Rシリーズ同様、HDDを本体内に内蔵できるようになっている。

すでに、互換機メーカーのEPSONが立派な286互換機を出しており、それはVMよりもずっと値段が安かった。EPSON互換機は、当時「早いVM」がコンセプトだったそうで、このことは、PC-9801が如何にソフトが豊富で使えるマシンか、ということを物語っているといえる。しかし、今さらVMでもないだろうに、と思ってしまうのもまた当然だった。

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PC-9801VM11スペック

PC-9801VM11カタログ
  1. CPU
    V30:8MHz/10MHz
    ※切り換えて稼働。
  2. コプロセッサ
    使用可(i8087)
    ※8MHz時のみ使用可。
  3. ROM
    N88-BASIC(86)及びモニタ96KB。
  4. メインRAM
    640KB。最大8.6MBまで拡張スロット内増設可
  5. ビデオRAM
    256KB。
  6. テキストRAM
    12KB。
  7. テキスト表示
    英数カナ80文字×25行 / 80文字×20行 / 40文字×25行文字 / 40文字×20
    行 ※切り換えて使用。
    文字及びグラフィック記号(248種)
    文字単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、8色表示カラー(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。
  8. カラーグラフィックス
    640×400ドット2画面
    640×200ドット4画面
    ※アナログRGB接続時4096色中16色表示
    ※デジタルRGB接続時8色表示
  9. モノクログラフィックス
    640×400ドット4画面
    640×200ドット16画面
  10. 漢字表示標準搭載
    文字構成:16×16ドットゴシック体
    文字種類:JIS第1/第2水準、拡張、非漢字他約7,600文字
    ユーザー定義文字機能188種。
    388文字はオプション
    画面構成:40文字×25行、40文字×20行
    ※グラフィックス/テキスト画面に表示可
  11. 画面合成
    テキスト/グラフィックス画面の合成可(優先順位付け可)
  12. バックグラウンドカラー
    8色表示可(専用高解像度ディスプレイ使用時)
  13. 内蔵FDD
    2HD/2DD両用FDD2台内蔵。
  14. キーボード
    (スカルプチャータイプ) JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、10ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー。
    セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続)
  15. シリアルI/F
    RS232C準拠
  16. プリンタI/F
    セントロニクス社仕様に準拠
  17. 外付け用FDDI/F
    2HDのFDD接続可
  18. HDD
    内蔵可(SASI)
  19. マウスI/F
    バスマウス接続可
  20. CRT接続
    アナログRGB
    デジタルRGB
    モノクロディスプレイ
  21. サウンド
    オプション
  22. 拡張スロット
    16ビットのCバス4個
  23. カレンダ時計
    電池によるバックアップ
  24. サービスコンセント
    2個
  25. 電源
    AC100V±10%、50/60Hz
  26. 使用条件
    10~30℃,20~80%(但し結露しないこと)
  27. 外寸
    本体 (W)420×(D)345×(H)150㎜。
    キーボード (W)470×(D)195×(H)38㎜。
  28. 重量
    本体8.3kg。
    キーボード1.6kg。
  29. 主な添付品
    グリーティングカード、キーボード、電源ケーブル、アース線、保証書、お客様登録カード、ケーブルラベル、サービス網一覧表、ケーブルカバー
  30. 添付FD4枚
    N88-日本語BASIC(86)Ver6.0関連システムディスク、辞書ディスク1、辞書ディスク2。PCトレーニングディスク。
  31. マニュアル
    N88-日本語BASIC(86)Ver6.0関連(ユーザーズマニュアル、リファレンスマニュアル、BASIC入門)。ガイドブック、ハードウェアマニュアル。
  32. 発売
    1988年11月
  33. 価格
    328,000円

V30のみ搭載の5インチFDDマシンはこれで打ち止め

5.25インチFDD搭載モデルのV30マシンはVM11で終了したが、V30マシン自体は3.5インチFDD内蔵モデルが1991年頃まで引き続き発売された。

VMシリーズはR三兄弟が出るまで販売が続いていた。

これとPC-8801MHを合体させたPC-98DOは翌年1989/6に発売されたから、そのベースマシンともいえる。

結論

果たしてこのパソコン、売れるのかな、と思ってパソコンショップの人に聞いたら、結構出ていたという。教育関係とか、速度を必要としない分野とかだそうだ。なるほど、普通のユーザーなら、多少速度が遅くても「純正」を選ぶのだろう。

あなたがもしほいほいお金を出してくれる甘いお父さんを期待できない学生だったら、これはかなりのお買い得マシンだ。

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