「あらゆるオフィス業務を手堅くこなす実力派16ビット。」
今さらVMでもないだろうに、という時期になりつつある1988年、NECからVM11が発売されます。VM21よりも6万円以上安くなり、性能は変わりませんが、筐体をRシリーズと同じものにしたのが外見上の違いです。
PC-9801VM11スペック
- CPU:V30を8MHz/10MHz 切り換えて稼働。
- ROM:N88-BASIC(86)及びモニタ96KB。
- メインRAM:640KB。最大8.6MBまで拡張スロット内増設可
- ビデオRAM:256KB。
- テキストRAM:12KB。
- テキスト表示
英数カナ80文字×25行 / 80文字×20行 / 40文字×25行文字 / 40文字×20行 ※切り換えて使用
文字及びグラフィック記号(248種)リバース、ブリンク、シークレット(キャラクタ単位に指定可)、8色表示カラー(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白。キャラクタ単位に指定可) - カラーグラフィックス表示
640×400ドット2画面
640×200ドット4画面
※アナログRGB接続時4096色中16色表示
※デジタルRGB接続時8色表示 - モノクロディスプレイ接続時
640×400ドット4画面
640×200ドット16画面 - 漢字表示標準搭載
JIS第1水準漢字2965種、JIS第2水準漢字3384種、非漢字885種、ユーザー定義文字機能188種、拡張漢字388文字(オプション)
グラフィックス/テキスト画面に表示可 - 画面合成:テキスト/グラフィックス画面の合成可(優先順位付け可)
- バックグラウンドカラー:8色表示可(専用高解像度ディスプレイ使用時)
- 内蔵FDD:5.25インチ2HD/2DD自動切り替えFDDを2台内蔵。
- FDD外付け用I/F:2HD接続可
- HDD:内蔵可(SASI)
- シリアルI/F:RS232C
- プリンタI/F::セントロニクス社仕様
- マウスI/F:バスマウス対応
- CRT接続:アナログRGB、デジタルRGB、モノクロディスプレイ
- サウンド:BEEP音(オプションでFM音源/SSG音源拡張スロット内搭載可)
- 拡張スロット16ビットのCバス4個
- サービスコンセント:2個
- 電源:AC100V±10%、50/60Hz
- 使用条件:10~30℃,20~80%(但し結露しないこと)
- 外寸
本体 (W)420×(D)345×(H)150㎜。
キーボード (W)470×(D)195×(H)38㎜。 - 重量
本体8.3kg。キーボード1.6kg。 - 主な付属品:キーボード、電源ケーブル、アース線、保証書、お客様登録カード、ケーブルラベル、サービス網一覧表、グリーティングカード、ケーブルカバー
- 添付FD4枚:N88-日本語BASIC(86)Ver6.0関連システムディスク、辞書ディスク1、辞書ディスク2。PCトレーニングディスク。
- マニュアル:N88-日本語BASIC(86)Ver6.0関連(ユーザーズマニュアル、リファレンスマニュアル、BASIC入門)。ガイドブック、ハードウェアマニュアル。
- 1988年11月発売
ラインナップ
- PC-9801VM11:5.25インチFDD×2台。328,000円
すでに、互換機メーカーのエプソンがVM11よりずっと安く、立派な286マシンを出していたし、世間はOS/2だ、プロテクトメモリだ、と騒いでいた時期だったので、何故VMなのか...と思う人も少なくなかったことでしょう。
実売価格はおそらく25万円ぐらいだったと思われるので、純正にこだわるなら結構お買い得マシンだったとはいえます。販売店によっては教育関係や速度をさほど必要としないといった用途では結構出ていたという例もあったといいます。
5インチFDD搭載モデルのV30マシンはVM11で終わりましたが、V30マシン自体は3.5インチFDD内蔵モデルが1991年頃まで引き続き販売されます。
寸評:バイトで買えるパソコン
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あとがき
EPSONが立派な互換機を出しており、それはVMよりもずっと値段が安かったが、純正を好む人は敢えてVMを選ぶ例もあったという。とはいえ、今更VMでもないだろうに、と思うのも正直な印象だった。シリーズとしてはR三兄弟が出るまで続いていた。
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