「活動範囲をさらに拡げた新世代ビジネスマシン」※VX0/2/4
「即戦力と高機能を求めた、ベストマッチング」※VX4/WN
VMシリーズのモデルチェンジ機種がこのVXシリーズで、MS-Windows1.0をインストール済みとしたモデルであるVX4WNも登場した。
変更点は16色ボードの標準搭載で4096色中16表示となったこと、メインメモリが640KB標準搭載になったことの他、ノーマルモードの機種では初めてi80286が搭載されたという点だ。
PC-9801VX0/VX2/VX4/VX4WNスペック
- CPU
i80286 8MHz
V30 10/8MHz
※いずれか切り換えて稼働。 - コプロセッサ
i80287
※80286動作時のみ使用可
i8087
※V30稼働時の8MHz時のみ使用可。 - ROM
N88-BASIC(86)及びモニタ96KB。 - メインRAM
640KB - ビデオRAM
256KB。 - テキストRAM
12KB。 - テキスト表示
英数カナ80文字×25行 / 80文字×20行 / 40文字×25行文字 / 40文字×20
行 ※切り換えて使用。
文字及びグラフィック記号(248種)
文字単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、8色表示カラー(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。 - カラーグラフィックス
640×400ドット2画面
640×200ドット4画面
※アナログRGB接続時4096色中16色表示
※デジタルRGB接続時8色表示 - モノクログラフィックス
640×400ドット4画面
640×200ドット16画面 - 日本語表示
文字構成:16×16ドットゴシック体
文字種類:JIS第1水準漢字2965種
JIS第2水準漢字3384種
非漢字885種
ユーザー定義文字機能188種。
拡張漢字388文字はオプション
画面構成:40文字×25行、40文字×20行
※グラフィックス/テキスト画面に表示可 - 画面合成
テキスト/グラフィックス画面の合成可(優先順位付け可) - バックグラウンドカラー
8色表示可(専用高解像度ディスプレイ使用時) - 内蔵FDD
VX2/VX4は2HD/2DD両用FDD2台内蔵。
VX0はオプション。2HD/2DD両用FDDを2台内蔵可(PC-98XL-05を利用)。 - キーボード
(スカルプチャータイプ) JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、10ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー。
セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続) - シリアルI/F
RS232C準拠 - プリンタI/F
セントロニクス社仕様に準拠 - 外付け用FDDI/F
2HDのFDD接続可 - HDD
外付け可(I/Fボード別売)
※VX4/VX4WNは20MBHDDを内蔵済み - マウスI/F
バスマウス接続可 - カセット(CMT)I/F
オプション、拡張スロット内実装可(300ボー/1200ボー)
※V30モード時のみ使用可 - CRT接続
アナログRGB
デジタルRGB
モノクロディスプレイ
家庭用テレビ接続可(別売テレビアダプタが必要) - サウンド
オプション - 拡張スロット
16ビットのCバス4個 - カレンダ時計
電池によるバックアップ - サービスコンセント
2個 - 電源
AC100V±10%、50/60Hz - 使用条件
10~30℃,20~80%(但し結露しないこと) - 外寸法
VX0/VX2:(W)398×(D)335×(H)87㎜。
※VX4/VX4WN:(W)470×(D)345×(H)150㎜
キーボード:(W)470×(D)195×(H)38㎜ - 重量
VX0:9.8kg。
VX2:11.6kg。
VX4:13.6kg。
VX4WN:13.6kg
キーボード:1.2kg - 主な添付品
グリーティングカード、キーボード、電源ケーブル、モノクロCRTケーブル、ガイドブック、ハードウェアマニュアル、N88-日本語BASIC(86)関連マニュアル(ユーザーズマニュアル、リファレンスマニュアル、プログラミング入門、リファレンスブック)、保証書、お客様登録カード、ケーブルラベル、ケーブルカバー、サービス網一覧表。
※VX4WNにはMS-DOS/WS-Windows関連マニュアルも付属。 - 発売
1986/11
※CPUはV30とi80286を搭載しているが、両方同時に動作するわけではなく、どちらか一方に切り替えて使うことになる。
PC-9801VX0/VX2/VX4/VX4WNラインナップ
- PC-9801VX0
FDDなし(内蔵可)
HDDなし(外付け可)。
価格353,000円
※VX0にFDDを内蔵する場合は、PC-98XL-05を使用する事。 - PC-9801VX2
5.25インチFDD×2台。
HDDなし(外付け可)。
価格433,000円 - PC-9801VX4
5.25インチFDD×2台。
HDDなし(外付け可)
価格693,000円 - PC-9801VX4WN
5.25インチFDD×2台。
HDD内蔵済み(SASI)。
価格730,000円
※WINDOWS1.0インストール済み
グラフィックスには、EGCと呼ばれるプロセッサを採用し、高速化を図ったが、この段階では能力をフルには生かし切れていなかったようで、試作品だったともいえる。
VX4WNでは、MS-DOSとMS-Windows1.0がプリインストールされており、Windows対応ソフトをすぐに動作させることができるが、まだアプリケーションはほとんどなかった。この時点では、MS-DOSアプリを切り替えて使うのが主流だったと思う。
寸評:最初の286ノーマルマシン
結論
PC-9801では初めてi80286搭載したが、V30に比べると少し早くなったかな、という程度だった。Windows1.0搭載機もあったが、まだ専用ソフトはなかった。まだMS-DOSの時代だからこれはやむを得ないだろう。