PC-9801VX01/VX21/VX41/VX41WN ※1987/6発売

PC-9801デスクトップ機

「活動範囲をさらに拡げた新世代ビジネスマシン」

このシリーズは、エプソンのPC-9801互換機「PC-286」の登場で、あわてて発売したような印象を受ける。何が変わったか、といえば、80286のCPUクロック周波数が10MHz動作するようになったことだけだ。

VX0/2/4を買った人には何ともやりきれないが、このあたり、NECの姿勢はやはり残念である。

個人向けにはVX21の方がよく出ていたが、まだHDD内蔵型の値段が高かったこととも関係している。

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PC-9801VX01/21/41スペック

  1. CPU
    i80286 10/8MHz
    V30 10/8MHz
    ※いずれか切り換えて稼働。
  2. コプロセッサ
    i80287
    ※80286動作時のみ使用可
    i8087
    ※V30稼働時の8MHz時のみ使用可。
  3. ROM
    N88-BASIC(86)及びモニタ96KB。
  4. メインRAM
    640KB
  5. ビデオRAM
    256KB。
  6. テキストRAM
    12KB。
  7. テキスト表示
    英数カナ80文字×25行 / 80文字×20行 / 40文字×25行文字 / 40文字×20
    行 ※切り換えて使用。
    文字及びグラフィック記号(248種)
    文字単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、8色表示カラー(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。
  8. カラーグラフィックス
    640×400ドット2画面
    640×200ドット4画面
    ※アナログRGB接続時4096色中16色表示
    ※デジタルRGB接続時8色表示
  9. モノクログラフィックス
    640×400ドット4画面
    640×200ドット16画面
  10. 日本語表示
    文字構成:16×16ドットゴシック体
    文字種類:JIS第1水準漢字2965種
    JIS第2水準漢字3384種
    非漢字885種
    ユーザー定義文字機能188種。
    拡張漢字388文字はオプション
    画面構成:40文字×25行、40文字×20行
    ※グラフィックス/テキスト画面に表示可
  11. 画面合成
    テキスト/グラフィックス画面の合成可(優先順位付け可)
  12. バックグラウンドカラー
    8色表示可(専用高解像度ディスプレイ使用時)
  13. 内蔵FDD
    VX21/VX41は2HD/2DD両用FDD2台内蔵。
    VX01はオプション。2HD/2DD両用FDDを2台内蔵可(PC-98XL-05を利用)。
  14. キーボード
    (スカルプチャータイプ) JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、10ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー。
    セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続)
  15. シリアルI/F
    RS232C準拠
  16. プリンタI/F
    セントロニクス社仕様に準拠
  17. 外付け用FDDI/F
    2HDのFDD接続可
  18. HDD
    外付け可(I/Fボード別売)
    ※VX41/VX41WNは20MBHDDを内蔵済み
  19. マウスI/F
    バスマウス接続可
  20. カセット(CMT)I/F
    オプション、拡張スロット内実装可(300ボー/1200ボー)
    ※V30モード時のみ使用可
  21. CRT接続
    アナログRGB
    デジタルRGB
    モノクロディスプレイ
    家庭用テレビ接続可(別売テレビアダプタが必要)
  22. サウンド
    オプション
  23. 拡張スロット
    16ビットのCバス4個
  24. カレンダ時計
    電池によるバックアップ
  25. サービスコンセント
    2個
  26. 電源
    AC100V±10%、50/60Hz
  27. 使用条件
    10~30℃,20~80%(但し結露しないこと)
  28. 外寸法
    VX01/VX21:(W)398×(D)335×(H)87㎜。
    ※VX41/VX41WN:(W)470×(D)345×(H)150㎜
    キーボード:(W)470×(D)195×(H)38㎜
  29. 重量
    VX01:9.8kg。
    VX21:11.6kg。
    VX41:13.6kg。
    VX41WN:13.6kg。
    キーボード:1.2kg
  30. 主な添付品
    グリーティングカード、キーボード、電源ケーブル、モノクロCRTケーブル、ガイドブック、ハードウェアマニュアル、N88-日本語BASIC(86)関連マニュアル(ユーザーズマニュアル、リファレンスマニュアル、プログラミング入門、リファレンスブック)、保証書、お客様登録カード、ケーブルラベル、ケーブルカバー、サービス網一覧表。
    ※VX4WNにはMS-DOS/WS-Windows関連マニュアルも付属。
  31. 発売
    1987/6

新VXでは、EGCをサポートしたBIOS、N88-BASIC(86)が搭載され、これに加えてグラフィックス用VRAMにデュアルポートRAMを採用したことにより、データの読み出し、書き込みが同時に行えるようになった。EGCの能力が完全に発揮できるようになったため、CPUのクロックが10MHzに向上した以上にグラフィックスの速度が向上している。但し、サードパーティ各社は、「早いVM」のコンセプトで製品開発していたので、EGCを活用したソフト/ハードは出てこなかった。

PC-9801VX01/VX21/VX41ラインナップ

  1. PC-9801VX01
    FDDなし(内蔵可)
    HDDなし(外付け可)。
    価格353,000円
    ※VX01にFDDを内蔵する場合は、PC-98XL-05を使用する事。
  2. PC-9801VX21
    5.25インチFDD×2台。
    HDDなし(外付け可)。
    価格433,000円
  3. PC-9801VX41
    5.25インチFDD×2台。
    HDDなし(外付け可)。
    価格630,000円
  4. PC-9801VX41WN
    5.25インチFDD×2台。
    HDD内蔵済み(SASI)。
    価格658,000円
    ※WINDOWS1.0Aインストール済み

HDDの価格が下がったので、HDD搭載モデルは旧VXよりも大幅に値下げされている。

MS-Windows1.0は、1.0Aにマイナーチェンジされて、速度面である程度実用に耐えるものとなった。但し、この解像度ではWindowsを使うには狭い画面で、やはりハイレゾモードの低価格化が望まれるところである。

ビジネスもホビーも98で

NECとしては、ホビーは88、ビジネスは98と考えていたせいだろう、同時期発売されていたPC-88VAと比較すると、FM音源はオプションだし、グラフィックスは同時発色数も少なく、面白味に欠けているのも事実だったが、個人向けとしても結構出ていた。やはり、PC-9801を選んでおけばビジネスにもホビーにも両方使える、という状況になっていたからであった。

個人レベルならまだHDDは必要性が薄かったので、VX21がよく出ていた。必要が出たらあとから外付けHDDを取り付ける、というのが一般的だった。

寸評:EPSON互換機に対抗した間に合わせのマイナーチェンジ機

結論

新VXシリーズは、発売開始時、新製品発表会と題して、ユーザー登録した人に招待状が送付され、サンシャインシティで展示会が行われた。早速見に行った記憶がある。アンケートに購入意向を聞く項目もあったが、旧VXを買った人が、では、旧VXを中古に売って新VXを買うか、というと…

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