PC-9821Af ※1993/7発売

「高速・大容量時代に応えるPentiumプロセッサ搭載。」

PC-9821シリーズ初となるPentiumプロセッサマシンは、Afの型番がつけられた。メインメモリ14.6MBの壁も取り払われた。

ここで目を引くのは、すでにS3社製86S928を拡張スロット内に内蔵済みで、Windows環境であれば最高解像度1120×750モードが利用できる。HDDモデルのみのラインナップ。なおFDD1台のみとなっている。

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PC-9821Afスペック

PC-9821Afカタログ
  1. CPU
    Pentium(60MHz)
  2. ROM
    N88-BASIC(86)及びモニタ、システムセットアップメニュー他128KB
  3. メインRAM
    7.6MB。
    79.6MBまで拡張可能。本体メモリ専用スロットに増設。
  4. ビデオRAM
    512KB。
  5. テキストRAM
    12KB。
  6. テキスト表示※MS-DOS時のみ利用可
    英数カナ80文字×25行 / 80文字×20行 / 40文字×25行文字 / 40文字×20

    ※切り換えて使用。
    文字及びグラフィック記号(248種)
    文字単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、8色表示カラー(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。
  7. グラフィックス表示
    640×480ドット1画面1677万色中256色。
    640×480ドット2画面1677万色中256色。
    640×400ドット2画面4096色中16色表示。
  8. 画面合成※MS-DOS時のみ利用可
    テキスト/グラフィックス画面の合成可(優先順位付け可)
  9. バックグラウンドカラー※MS-DOS時のみ利用可
    8色表示可(専用高解像度ディスプレイ使用時)
  10. Windows アクセラレータ
    S3社製 86C928 (VRAM1MB) 32ビットローカルバススロットに標準実装。
    640×480ドット1画面1677万色中256色
    640×480ドット2画面1677万色中256色
    1024×768ドット1画面1677万色中256色。
    1120×*750ドット1画面1677万色中256色。
    1120×750ドット1画面4096色中16色。
    ※本体グラフィックス/テキスト画面との合成表示は不可。
  11. 漢字表示※MS-DOS時のみ利用可
    文字構成:16×16ドットゴシック体。
    文字種類:JIS第1、JIS第2、非漢字、拡張漢字等約7,600文字。
    ユーザー定義文字機能188種。
    画面構成:40文字×25行、40文字×20行
    ※グラフィックス/テキスト画面に表示可
  12. 内蔵FDD
    Uモデルは3モード対応3.5インチ2HD/2DDのFDDを1台内蔵。
    Mモデルは5.25インチ2HD/2DDのFDDを1台内蔵。
    ※増設不可。
  13. HDD
    510MBのIDE仕様HDDを搭載。
    MS-DOS5.0A/Windows3.1インストール済み。
  14. キーボード
    (スカルプチャータイプ) JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、15ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー。
    セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続)
  15. シリアルI/F
    RS232C準拠
  16. プリンタI/F
    セントロニクス社仕様準拠
  17. 外付けFDD用I/F
    2HD
  18. マウスI/F
    バスマウス付属。
    PC-98DO/P-11を装着してアタリ規格のジョイスティックを装着可能。この場合マウスとの併用は不可。
  19. SCSI I/F
    オプション、SCSI仕様の内蔵HDD実装時及び、ファイルスロット対応機器実装時に必要(増設コネクタあり)※専用スロットに増設(PC-9821A-E10相当品)
  20. CRT接続
    アナログRGB
  21. サウンド
    YM2608採用。FM音源6重和音、リズム音源6重和音、PSG音源3重和音の計6重和音8オクターブ標準装備(86音源互換)/PCM録音・再生機能。
    マイクロホン入力(モノラル、ミニジャック、本体前面)
    ライン入力 (ステレオ、ミニジャック、本体背面)
    ヘッドホン出力 (ステレオ、ミニジャック、本体前面)
    ライン出力 (ステレオ、ミニジャック、本体背面)
    スピーカ出力 (モノラル)
    ※マイクロホン付属。
  22. 拡張スロット
    16ビットのCバス4個。うち2個は32ビットローカルバス兼用。
    ※アクセラレータ用にローカルバス1個使用済み。
  23. サービスコンセント
    2個
  24. 電源
    AC100V±10%、50/60Hz
  25. 使用条件
    10~30℃,20~80%(但し結露しないこと)
  26. 外寸法
    本体(W)470×(D)335×(H)150㎜。
    キーボード 439(W)×183(D)×31(H)㎜
  27. 重量(本体/キーボード)
    PC-9821Af/U9W重量13kg
    PC-9821Af/M9W重量13.5kg
    キーボード:約1.2kg
  28. 主な添付品
    ガイドブック、保証書、ソフトウェア許諾契約書、お客様登録カード、サービス網一覧表、ご使用にあたっての注意、インストールガイド、ソフトウェアインストールガイド、さあ始めようMS-DOS5.0A-H、MS-DOS5.0A-Hステップアップマニュアル、MS-DOS5.0A-H補足マニュアル、MS-DOS5.0A差分マニュアル、MS-DOS3.3D/NetWare差分マニュアル、今日から使えるWindows3.1、Windows3.1機能ガイド、Windows3.1日本語入力ガイド、キーボード、アース線、電源ケーブル、マウス、マイクロホン、マイクロホンホルダー、電源ケーブル、MS-DOS5.0A-HFD3枚、Windows3.1 FD20枚、CD-ROMExtensions/システムインストールディスク、デモンストレーションプログラム

ラインナップ

  1. PC-9821Af/U9W
    3.5インチFDD×1台
    HDD510MB(IDE)
    MS-DOS5.0A/Windows3.1インストール済み。
    1993年7月発売。
    価格1,200,000円
  2. PC-9821Af/M9W
    5.25インチFDD×1台
    HDD510MB(IDE)
    MS-DOS5.0A/Windows3.1インストール済み。
    1993年8月発売
    価格1,200,000円

Uモデルは3.5インチFDD、Mモデルは5.25インチFDD内蔵。当時のPC事情からするとFDD2台が常識的だったがHDDが内蔵されていれば1台でもフロッピーのバックアップが作れるのでよしとしていたようだ。全モデルWindows3.1インストール済み。

すぐにWindows3.1が使える、とはいえ、価格が高すぎたことは否めず、試作機の域だった。本体サイズも、横幅はAe/AS/Apよりも大きい。

搭載されたのは初期世代のPentium

当時のPentiumプロセッサは初期バージョンと呼ばれているもので、ソケットサイズも大きなものである。2代目のPentiumプロセッサからソケットサイズが一回り小さくなり、製品寿命も長かった。

ローカルバススロットに実装されているのはウィンドウアクセラレータAの名前で単体販売もされているボードだった。

  1. PC-9821-E01:ウィンドウアクセラレーターボードA。単体価格:70,000円

コメント

DOS/V機の方が安くPentiumマシンが買えるわけだったが、PC-9821系もDOS/V系もまだ486系の方が主力であり、本格的にPentiumマシンが普及するのは、2代目Pentiumが登場する翌年1994年あたりからである。

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