「高速・大容量時代に応えるPentiumプロセッサ搭載。」
PC-9821シリーズ初となるPentiumプロセッサマシンは、Afの型番がつけられた。メインメモリ14.6MBの壁も取り払われた。
ここで目を引くのは、すでにS3社製86S928を拡張スロット内に内蔵済みで、Windows環境であれば最高解像度1120×750モードが利用できる。HDDモデルのみのラインナップ。なおFDD1台のみとなっている。
PC-9821Afスペック

- CPU
Pentium(60MHz) - ROM
N88-BASIC(86)及びモニタ、システムセットアップメニュー他128KB - メインRAM
7.6MB。
79.6MBまで拡張可能。本体メモリ専用スロットに増設。 - ビデオRAM
512KB。 - テキストRAM
12KB。 - テキスト表示※MS-DOS時のみ利用可
英数カナ80文字×25行 / 80文字×20行 / 40文字×25行文字 / 40文字×20
行
※切り換えて使用。
文字及びグラフィック記号(248種)
文字単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、8色表示カラー(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。 - グラフィックス表示
640×480ドット1画面1677万色中256色。
640×480ドット2画面1677万色中256色。
640×400ドット2画面4096色中16色表示。 - 画面合成※MS-DOS時のみ利用可
テキスト/グラフィックス画面の合成可(優先順位付け可) - バックグラウンドカラー※MS-DOS時のみ利用可
8色表示可(専用高解像度ディスプレイ使用時) - Windows アクセラレータ
S3社製 86C928 (VRAM1MB) 32ビットローカルバススロットに標準実装。
640×480ドット1画面1677万色中256色
640×480ドット2画面1677万色中256色
1024×768ドット1画面1677万色中256色。
1120×*750ドット1画面1677万色中256色。
1120×750ドット1画面4096色中16色。
※本体グラフィックス/テキスト画面との合成表示は不可。 - 漢字表示※MS-DOS時のみ利用可
文字構成:16×16ドットゴシック体。
文字種類:JIS第1、JIS第2、非漢字、拡張漢字等約7,600文字。
ユーザー定義文字機能188種。
画面構成:40文字×25行、40文字×20行
※グラフィックス/テキスト画面に表示可 - 内蔵FDD
Uモデルは3モード対応3.5インチ2HD/2DDのFDDを1台内蔵。
Mモデルは5.25インチ2HD/2DDのFDDを1台内蔵。
※増設不可。 - HDD
510MBのIDE仕様HDDを搭載。
MS-DOS5.0A/Windows3.1インストール済み。 - キーボード
(スカルプチャータイプ) JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、15ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー。
セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続) - シリアルI/F
RS232C準拠 - プリンタI/F
セントロニクス社仕様準拠 - 外付けFDD用I/F
2HD - マウスI/F
バスマウス付属。
PC-98DO/P-11を装着してアタリ規格のジョイスティックを装着可能。この場合マウスとの併用は不可。 - SCSI I/F
オプション、SCSI仕様の内蔵HDD実装時及び、ファイルスロット対応機器実装時に必要(増設コネクタあり)※専用スロットに増設(PC-9821A-E10相当品) - CRT接続
アナログRGB - サウンド
YM2608採用。FM音源6重和音、リズム音源6重和音、PSG音源3重和音の計6重和音8オクターブ標準装備(86音源互換)/PCM録音・再生機能。
マイクロホン入力(モノラル、ミニジャック、本体前面)
ライン入力 (ステレオ、ミニジャック、本体背面)
ヘッドホン出力 (ステレオ、ミニジャック、本体前面)
ライン出力 (ステレオ、ミニジャック、本体背面)
スピーカ出力 (モノラル)
※マイクロホン付属。 - 拡張スロット
16ビットのCバス4個。うち2個は32ビットローカルバス兼用。
※アクセラレータ用にローカルバス1個使用済み。 - サービスコンセント
2個 - 電源
AC100V±10%、50/60Hz - 使用条件
10~30℃,20~80%(但し結露しないこと) - 外寸法
本体(W)470×(D)335×(H)150㎜。
キーボード 439(W)×183(D)×31(H)㎜ - 重量(本体/キーボード)
PC-9821Af/U9W重量13kg
PC-9821Af/M9W重量13.5kg
キーボード:約1.2kg - 主な添付品
ガイドブック、保証書、ソフトウェア許諾契約書、お客様登録カード、サービス網一覧表、ご使用にあたっての注意、インストールガイド、ソフトウェアインストールガイド、さあ始めようMS-DOS5.0A-H、MS-DOS5.0A-Hステップアップマニュアル、MS-DOS5.0A-H補足マニュアル、MS-DOS5.0A差分マニュアル、MS-DOS3.3D/NetWare差分マニュアル、今日から使えるWindows3.1、Windows3.1機能ガイド、Windows3.1日本語入力ガイド、キーボード、アース線、電源ケーブル、マウス、マイクロホン、マイクロホンホルダー、電源ケーブル、MS-DOS5.0A-HFD3枚、Windows3.1 FD20枚、CD-ROMExtensions/システムインストールディスク、デモンストレーションプログラム
ラインナップ
- PC-9821Af/U9W
3.5インチFDD×1台
HDD510MB(IDE)
MS-DOS5.0A/Windows3.1インストール済み。
1993年7月発売。
価格1,200,000円 - PC-9821Af/M9W
5.25インチFDD×1台
HDD510MB(IDE)
MS-DOS5.0A/Windows3.1インストール済み。
1993年8月発売
価格1,200,000円
Uモデルは3.5インチFDD、Mモデルは5.25インチFDD内蔵。当時のPC事情からするとFDD2台が常識的だったがHDDが内蔵されていれば1台でもフロッピーのバックアップが作れるのでよしとしていたようだ。全モデルWindows3.1インストール済み。
すぐにWindows3.1が使える、とはいえ、価格が高すぎたことは否めず、試作機の域だった。本体サイズも、横幅はAe/AS/Apよりも大きい。
搭載されたのは初期世代のPentium
当時のPentiumプロセッサは初期バージョンと呼ばれているもので、ソケットサイズも大きなものである。2代目のPentiumプロセッサからソケットサイズが一回り小さくなり、製品寿命も長かった。
ローカルバススロットに実装されているのはウィンドウアクセラレータAの名前で単体販売もされているボードだった。
- PC-9821-E01:ウィンドウアクセラレーターボードA。単体価格:70,000円
コメント
DOS/V機の方が安くPentiumマシンが買えるわけだったが、PC-9821系もDOS/V系もまだ486系の方が主力であり、本格的にPentiumマシンが普及するのは、2代目Pentiumが登場する翌年1994年あたりからである。