「90MHz版Pentiumプロセッサ搭載。それは、きわだつ高性能。」
PC-9821のPentiumマシンとしては、すでに初代Pentiumを採用したAfモデルがあったが、AnモデルはすでにDOS/V機では採用が進んでいた2代目Pentiumの90MHzを採用している。
なお、MモデルはHDD装着済みモデルの設定はない。
PC-9821An
- CPU
Pentium90MHz - セカンドキャッシュ
CPU内蔵16KB。ライトバック方式256KB - ROM
N88-BASIC(86)及びモニタ、システムセットアップメニュー他128KB - メインRAM
PC-9821An/U2:最大127.6MB
PC-9821An/U8W:7.6MB。最大127.6MB
PC-9821An/C9T:7.6MB。最大127.6MB
PC-9821An/M2:3.6MB。最大127.6MB - ビデオRAM
512KB。 - テキストRAM
12KB。 - テキスト表示 ※MS-DOS時のみ
英数カナ80文字×25行 / 80文字×20行 / 40文字×25行文字 / 40文字×20
行
※切り換えて使用。
文字及びグラフィック記号(248種)
文字単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、8色表示カラー(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。 - グラフィックス表示
640×400ドット2画面4096色中16色表示。
640×200ドット4画面4096色中16色表示。
640×480ドット1画面1677万色中256色。
640×480ドット2画面1677万色中256色。 - 画面合成 ※MS-DOS時のみ
テキスト画面とグラフィックス画面合成可(優先順位設定可) - バックグラウンドカラー※MS-DOS時のみ利用可
8色表示可(専用高解像度ディスプレイ使用時) - An/U8W搭載のアクセラレータ※MS-DOS時使用不可
S3社製 86C928 (VRAM:1MB)を本体内ローカルバスに内蔵。
640×480ドット1画面(1677万色中256色)
640×480ドット2画面(1677万色中256色)
1024×768ドット1画面(1677万色中256色)
1120×*750ドット1画面(1677万色中256色)
1120×750ドット1画面(4096色中16色)
※本体グラフィックス/テキスト画面との合成表示は不可。 - An/U9T搭載のアクセラレータ※MS-DOS時使用不可
Matrox社製 MGA-II (VRAM:2MB)を拡張スロット内ローカルバスに実装。
640×480ドット(1,677万色中256色、1,677万色)
1,024×768トット(1,677万色中256色)
1,280×1,024ドット(1,677万色中256色)
※本体グラフィックス/テキスト画面との合成表示は不可。 - 漢字表示※MS-DOS時のみ
文字構成:16×16ドットゴシック体。
文字種類:JIS第1、JIS第2、非漢字、拡張漢字等約7,600文字。
ユーザー定義文字機能188種。
画面構成:40文字×25行、40文字×20行
※グラフィックス/テキスト画面に表示可 - 内蔵FDD
Uモデルは3モード対応3.5インチ2HD/2DDのFDDを内蔵。
U2はFDD2台内蔵、HDD内蔵モデルは1台内蔵(1台増設可)
Mモデルは5.25インチ2HD/2DDのFDDを内蔵。 - HDD
IDE/SCSIいずれか内蔵可。
※HDD内蔵モデル(IDE)はMS-DOS5.0A/Windows3.1インストール済み。 - CD-ROM
ファイルスロット内装着可。
※An/C9Tは倍速CR-ROMドライブをファイルスロット内に内蔵済み。 - キーボード
(スカルプチャータイプ) JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、15ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー。
セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続) - シリアルI/F
RS232C準拠 - プリンタI/F
セントロニクス社仕様準拠 - 外付けFDD用I/F
2HD(オプション、拡張スロット内に実装) - マウスI/F
バスマウス仕様。PC-98DO/P-11を装着してアタリ規格のジョイスティックを装着可能。この場合マウスとの併用は不可。
※Windows3.1モデルはマウス付属。 - SCSI I/F
オプション、SCSI仕様の内蔵HDD実装時及び、ファイルスロット対応機器実装時に必要(増設コネクタあり)
※専用スロットに増設。C9Tモデルは実装済み(PC-9821A-E10相当品) - CRT接続
アナログRGB - サウンド
YM2608採用。FM音源6重和音、リズム音源6重和音、PSG音源3重和音の計6重和音8オクターブ標準装備(86音源互換)/PCM録音・再生機能。BEEP音。
マイクロホン入力(モノラル、ミニジャック、本体前面)
ライン入力 (ステレオ、ミニジャック、本体背面)
ヘッドホン出力 (ステレオ、ミニジャック、本体前面)
ライン出力 (ステレオ、ミニジャック、本体背面)
スピーカ出力 (モノラル)。
※Windows3.1モデルはマイクロホン付属。 - 拡張スロット
16ビットのCバス4個。うち2個は32ビットローカルバス兼用。
※An/C9Tモデルはアクセラレータ用にローカルバス1個使用済み。 - サービスコンセント
2個 - 電源
AC100V±10%、50/60Hz - 使用条件
10~30℃,20~80%(但し結露しないこと) - パワーマネジメント機能
内蔵FDD/内蔵HDDのモータON/OFF制御、外付け省エネ対応ディスプレイの制御。 - 外寸法
本体:(W)380×(D)335×(H)150㎜。
キーボード:439(W)×183(D)×31(H)㎜ - 重量
PC-9821An/U2:8.7kg
PC-9821An/U8W:9.5kg
PC-9821An/C9T:11.0kg
PC-9821An/M2:9.6kg
キーボード:約1.2kg - 主な添付品
ガイドブック、キーボード、お客様登録カード、保証書、サービス網一覧表、電源ケーブル、アース線、デモンストレーションプログラム。HDD内蔵モデルには、マウス、システムインストールディスク(FD1枚)、バックアップディスク/マニュアルセット購入券も添付。 - 1994年5月発売
PC-9821Anラインナップ
- PC-9821An/U2
3.5インチFDD×2台
HDDなし(内蔵可。IDE/SCSI)
メインRAM3.6MB。最大127.6MB
価格590,000円
価格改定500,000円 - PC-9821An/U8P
3.5インチFDD×1台
HDD340MB内蔵(IDE)
MS-DOS5.0A-H/Windows3.1インストール済み。
メインRAM7.6MB。最大127.6MB
価格610,000円
価格改定時廃止(An/U8Wに置き換わる) - PC-9821An/U8W
3.5インチFDD×1台
HDD340MB内蔵(IDE)
MS-DOS5.0A-H/Windows3.1インストール済み。
メインRAM7.6MB。最大127.6MB
価格720,000円
価格改定610,000円 - PC-9821An/C9T
3.5インチFDD×1台
HDD510MB内蔵(IDE)
MS-DOS5.0A-H/Windows3.1インストール済み。
メインRAM7.6MB。最大127.6MB
CD-ROMドライブをファイルスロット内内蔵済み(SCSI)
価格900,000円
価格改定700,000円 - PC-9821An/M2
5.25インチFDD×2台
HDDなし(内蔵可。IDE/SCSI)
メインRAM3.6MB。
最大127.6MB
価格604,000円
価格改定514,000円
※M2モデルにはHDD内蔵済みの設定はありません。価格改定は1994/12/9から適用。
Pentium採用モデル
全モデルのAfと比較すると値段も安くなって、2代目Pentiumの採用や当時最速だった90MHzのものが採用されたが、DOS/V機と比較するとやはり割高な感が否めない側面はある。それ以外の機能はAp2/As2とは同等である。Pentiumは64ビット外部バスのため、一旦変換してから32ビットローカルバスに接続するようになっており、PCIバスほどのパフォーマンスはなく、やはりローカルバスはi486用といえる。
最大メインRAMは127MBとなっているが、CPUは64ビットバスのPentiumなのでメモリスロット内に増設用サブボードを2枚単位で増設する。
ローカルバス
まだPCI規格は定まったばかりで、DOS/V機のマザーボードではようやく2代目Pentium用のもので採用されていたたが、AnではPCIバスは採用されず(EPSONの互換機では採用されたが互換性はない)、引き続きNESAバスのサブセット版であるローカルバスが2個搭載されていた。ここにビデオアクセラレータを搭載するのが例になっている。
コメント
2代目PentiumはDOS/V機でも長く使用され(マザーボードのバスはPCI)、PC-9821AnはWindows3.1以外のOSにも十分対応できる能力を有していた(Windows95/98、WindowsNT、OS/2等)。