Windows3.1日本語版が発売された1993年5月、それに合わせてPC-9821(初代)がモデルチェンジされました。
今回のモデルチェンジではCPUをi486SXに変更し、内部/外部とも真の32ビットCPUを搭載したマシンとなりました。
PC-9821Ceスペック

- CPU
i486SX 25MHz。 - ODP(オーバードライブプロセッサ)
使用可(486SX2 50MHz相当) - ROM
BIOS及びN88-BASIC(86)96KB及びセットアップ32KB - メインRAM
modelS1は1.6MB、modelS2は5.6MB標準実装。
※14.6MBまで拡張可能。本体メモリ専用スロット(10MBまで)に搭載可能。 - ビデオRAM
512KB。 - テキストRAM
12KB。 - テキスト表示※MS-DOS時のみ利用可
英数カナ80文字×25行 / 80文字×20行 / 40文字×25行文字 / 40文字×20
行
※切り換えて使用。
文字及びグラフィック記号(248種)
文字単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、8色表示カラー(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。 - グラフィックス表示
640×400ドット2画面4096色中16色表示
640×200ドット4画面4096色中16色表示
640×480ドット1画面1677万色中256色
640×480ドット2画面1677万色中256色 - 漢字表示※MS-DOS時のみ利用可
文字構成:16×16ドットゴシック体
文字種類:JIS第1、JIS第2、拡張、非漢字等約7,600種
ユーザー定義文字機能188種。
画面構成:40文字×25行、40文字×20行
※グラフィックス/テキスト画面に表示可 - 画面合成※MS-DOS時のみ利用可
テキスト/グラフィックス画面の合成可(優先順位付け可) - バックグラウンドカラー※MS-DOS時のみ利用可
8色表示可(専用高解像度ディスプレイ使用時) - キーボード
(スカルプチャータイプ) JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、15ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー。
セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続) - 内蔵FDD
3モード対応(2DD/1.2MB/1.44MB)3.5インチFDDを2台内蔵。 - HDD
内蔵可(98NOTE2.5インチ仕様)
※modelS1は内蔵可。modelS2は40MB内蔵済み - 内蔵CD-ROM仕様
電動トレー式CD-ROMドライブ内蔵(600ms/等速) - シリアルI/F
RS232C準拠 - プリンタI/F
セントロニクス社仕様準拠 - 外付けFDD用I/F
2HD - マウスI/F
バスマウス仕様。PC-98DO/P-11を装着してアタリ規格のジョイスティック1本接続できる。この場合マウスとの併用は不可 - SCSI I/F
あり - CRT接続
アナログRGB。※15インチアナログCRTを標準添付 - サウンド
YM2608採用。FM音源6音/リズム音源6音/SSG音源3音(86音源互換)PCM録音・再生機能。BEEP音。
マイクロホン入力(モノラル、ミニジャック、本体前面)
ライン入力 (ステレオ、ミニジャック、本体背面)
ヘッドホン出力 (ステレオ、ミニジャック、本体前面)
ライン出力 (ステレオ、ミニジャック、本体背面)
スピーカ出力 (モノラル)。
※マイクロホン付属 - 拡張スロット
:16ビットのCバス2個 - サービスコンセント
1個 - 電源
AC100V±10%、50/60Hz - 使用条件
10~30℃,20~80%(但し結露しないこと) - カレンダ時計
電池によるバックアップ - 外寸
本体:355(W)×395(D)×100(H)㎜
キーボード 439(W)×183(D)×31(H)㎜ - 重量
model S1:約9kg
model S2:約9.2kg
キーボード約1.2kg - 主な添付品
グリーティングカード、サービス窓口一覧表、保証書2通(CPU、CRT)、キーボード、マウス、ディスプレイ、SCSI終端BOX、アース線、マイクロホン、マイクロホン用ホルダー、電源ケーブル2(本体、ディスプレイ)、ソフトウェア使用許諾契約書。
model S1には起動用FD1枚、CD-ROM1枚(MS-DOS5.0A-H/デモンストレーション)を追加添付。
model S2にはFD1枚(システムインストールディスク) / CD-ROM2枚(システムインストール/デモンストレーション.辞書ステーション)を追加添付。 - 添付マニュアル
ガイドブック、ソフトウェアインストールガイド、MS-DOS5.0A関連3冊(ステップアップマニュアル、さあ始めようMS-DOS、補足マニュアル)※model S2にはWindows3.1関連3冊も添付(今日から使えるWindows3.1、機能ガイド、日本語入力ガイド) - 発売
1993/5 - 備考
modelS2にはMS-DOS5.0A-H/Windows3.1インストール済み
ラインナップ
- PC-9821Ce model S1
HDDなし(内蔵可)
価格378,000円 - PC-9821Ce model S2
40MBHDD内蔵済み(Windows3.1インストール済み)
価格488,000円
CPUは486SX25MHzを採用しており、PC-9821Aeと同じです。HDD標準搭載モデルにはMS-DOS5.0A/Windows3.1をインストール済みとしており、購入してすぐにマルチメディアが楽しめるようになっていました。このクラスのマシンではこれで十分だったのかもしれませんが、メモリは14.6MBという壁が残されたままでした。いずれも15.6MBまで搭載されたことになりますが1MB分が無駄になります。
NECでは永らくi386SXを多くのマシンに採用し続けてきましたが、ようやくi386SXにも見切りをつける時が来た、ということでしょうか。なお、このマシンの発売と合わせて、PC-9821AシリーズにもWindows3.1インストールモデルが発売されました。
コメント
真98MULTi、といってよいマシンに仕上がっている。とはいえ、前モデル発売から僅か6ヶ月でもう次のマシンがでたこととなり、これはPC-9821Aでも繰り返されることとなる。NECお得意の猫の目モデルチェンジ、等と昔から言われていた位だった(よいパソコン悪いパソコン/大庭俊介)。