「Windowsを快適にする、i486搭載カラーノート。」
デスクトップ型のPC-9821は、この時点でMATE-AとCanBeが出揃っていましたが、ようやくノート型も出てきました。モノクロ液晶はなく、すべてカラー液晶であり、価格はとても高価なものでした。
まだ出たばかりのPC-9821ノートでしたが、全機種カラー液晶だったのは印象的であり、我々のような個人ユーザーには憧れのマシンでした。
PC-9821Neスペック

- CPU
i486SX 33MHz。
※CPUアップグレードボード(オプション)によりi486DX2(50MHz)へアップグレードが可能 - コプロセッサ
487SX使用可。 - ROM
N88-BASIC(86)及びモニタ/98NOTE MENU128KB。 - 98NOTEメニュー
モード設定、FDコピー、動作環境設定、バッテリ残量表示、ユーティリティ、LCD開閉レジューム機能設定 - メインRAM
3.6MB。HDD内蔵モデルは5.6MB。※全機種とも14.6MBまで拡張可能。 - ビデオRAM
512KB。 - テキストRAM
12KB。 - テキスト表示※MS-DOS時のみ利用可
英数カナ80文字×25行 / 80文字×20行 / 40文字×25行文字 / 40文字×20
行
※切り換えて使用。
文字及びグラフィック記号(248種)
文字単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、8色表示カラー(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。
※グラフィックス画面とは独立表示(合成可) - グラフィックス表示
640×400ドット2画面4096色中16色表示。
640×200ドット4画面4096色中16色表示。
640×480ドット1画面1677万色中256色。※MicrosoftWindows3.1にてサポート
640×480ドット2画面1677万色中256色」※MicrosoftWindows3.1にてサポート - 画面合成※MS-DOS時のみ利用可
テキスト/グラフィックス画面の合成可(優先順位付け可) - バックグラウンドカラー※MS-DOS時のみ利用可
8色表示可(専用高解像度ディスプレイ使用時) - 漢字表示※MS-DOS時のみ利用可
文字構成:16×16ドットゴシック体
文字種類:JIS第1、JIS第2、拡張、非漢字等約7,600種
ユーザー定義文字機能188種。
画面構成:40文字×25行、40文字×20行
※グラフィックス/テキスト画面に表示可 - シリアルI/F
RS232C - プリンタI/F
セントロニクス社仕様 - キーボード
(スカルプチャータイプ) JIS標準配列準拠、コントロールキー、15ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー。
※本体キーボード一体型
※テンキーボード(PC-9801N-23)接続可能 - マウスI/F
バスマウス仕様 - ポインティングデバイス
サムボール内蔵(マウスと排他使用) - CRT接続
アナログRGB - サウンド
オプション - 拡張スロット
110ピン拡張バス - PCカードスロット
TypeII x 1 [PCMCIA2.0/JEIDA Ver4.1(旧規格)] - 内蔵FDD
3モード対応(2DD/1.2MB/1.44MB)3.5インチFDDを1台内蔵。 - RAMディスク
1MB(本体メモリとしても使用可) - HDD
内蔵可(98NOTE2.5インチ仕様) ※内蔵モデルあり - 液晶
9.5インチTFTカラー液晶 - レジューム機能
LCD開閉レジューム機能搭載(98NOTEメニューにより設定可能) - バッテリ
ニッカド電池。 - 電源
AC100V±10%、50/60Hz - 使用条件
10~30℃,20~80%(但し結露しないこと) - カレンダ時計
リチウム電池によるバックアップ - 主な添付品
ガイドブック、セットアップディスク1枚、ラベル(認定)、バッテリパック(本体装着済み)、ACアダプタ、モデムカバー、カードサポートソフトウェアマニュアル1冊、カードサポートソフトウェア(FD1枚)、アップグレードディスク、差分マニュアル2冊(MS-DOS5.0A*MS-DOS3.3D/NetWare)、サービス網一覧表、お客様登録カード、保証書 - 発売
1993/7
AC電源がないと実用的には使えない
内蔵バッテリはニッカドを使用していますが、Lowモード1.1時間で、Highモードと比べても10分程度長いだけで、AC電源のある場所でないと実用的ではないといえます。やはり、カラー液晶は電力を食うことが分かります。
- PC-9821Ne(FDD10%使用時)
Highモード1.0時間Middleモード/Lowモード1.1時間 - PC-9821Ne120/340/W(HDD10%使用時)
Highモード1.0時間Middleモード/Lowモード1.1時間
サウンドはオプションのCバス用のものでつけられますが、いうまでもなく、現在のノートPCとは異なり据え置き型の拡張ボックス(110ピン拡張バスに接続)が必要なので、どこにでも持ち運んで気楽に使える、というタイプのものではありません。
CPUボードを外し、別途CPUアップグレードボードと交換することで486DX2(50MHz)機とすることができます。
PC-9821Neラインナップ
W型番機はMS-DOS5.0AとWindows3.1インストール済み。
- PC-9821Ne
HDD無し(内蔵可能)
1993年7月発売
価格588,000円 - PC-9821Ne120/W
HDD120MB内蔵
1993年7月発売
価格728,000円 - PC-9821Ne340/W
HDD340MB内蔵
1993年11月発売
価格768,000円
HDDなしと搭載済みとがありますが、いずれも高価で、個人ではとても買うのに躊躇しただろうと思います。
コメント
憧れのカラー液晶ノートPC、というところではあるが、カラー液晶はまだ恐ろしく高価な代物だった。すべてWindows3.1インストール済みマシンである。しかし、依然として14.6MBの壁が残ったままとなっていた。