「MS-DOSからWin98まで、PC-98シリーズの資産が活かせるクライアントPC。」※Ra43
「MS-DOS6.2モデルからWindows98モデルまで、PC-9800シリーズの資産が活かせるクライアントPC。」※Ra40
PC-9821のデスクトップ機は、1998年度にXa200が発売され、しばらく発売が途絶えていましたが、Celeron搭載機となるRa40が発売されました。それから期間を開けることはなく、4ヶ月後にRa43が発売されました。
価格が安くなって、クロック周波数が向上したこと、HDDの容量が増えたことといった点があります。なお、Ra40/Ra43ともCRT付属モデルもあります。Windows98はWindows98SE(Second Edition)。
PC-9821Ra43/Ra40スペック
- CPU:Ra40 Celeron (400MHz) Ra43 Celeron (433MHz) ※内蔵キャッシュメモリ 32KB
- チップセット:Intel 440FX(Natoma) [PCI Rev:2.1]
- セカンドキャッシュメモリ:128KB
- ROM:BIOS、N88-BASIC(86)、システムセットアップメニュー他128KB
- メインRAM:32MB ECC対応 EDO DRAM。最大256MB。
※本体メモリ専用スロットのサブボードを外し、64MBサブボードを2枚2組枚で実装する。サブボードは2枚単位で実装する。 - ビデオ/テキスト/アクセラレータ共用RAM:2MB。
- テキスト表示:英数カナ:80文字×25行/80文字×20行 漢字(16ドット、ゴシック体)40文字×25行/40文字×20行 ※グラフィック画面とは独立したテキスト画面を継承。切り換えて使用(8色表示)。MS-DOS時のみ可。アクセラレータとの合成不可
- グラフィックス表示:640×400ドット2画面4096色中16色表示 or 1677万色中256色表示 ※MS-DOSモードのみ。
- アクセラレータ:Trident社製 TGUI9682XGi [VRAM:2MB] ビデオアクセラレーション機能搭載。※PCIスロットに実装済み
640× 480ドット(256色/65,536色/1,677万色)
800× 600ドット(256色/65,536色/1,677万色)
1,024× 768ドット(256色/65,536色)
1,280×1,024ドット(256色) - 漢字表示JIS第1水準漢字ROM/JIS第2水準漢字ROM、拡張漢字ROM標準搭載。約7,600字。320KB
- LAN:内蔵(100BASE-TX<10BASE-Tにも対応>、オンボードPCI接続)
- プリンタI/F:セントロニクス社仕様
- マウスI/F:バスマウス付属
- CRT接続:アナログRGB
- サウンド:PCM録音/再生機能(ステレオ)標準装備。BEEP音。
マイクロホン入力(モノラル、ミニジャック、本体前面)
ライン入力 (ステレオ、ミニジャック、本体背面)
ヘッドホン出力 (ステレオ、ミニジャック、本体前面)
ライン出力 (ステレオ、ミニジャック、本体背面)
スピーカ出力 (モノラル) - 拡張スロット:16ビットのCバス3個。
- PCIスロット:2個 ※このうち1個は98グラフィック総合系アクセラレータを実装済みのため空きは1個(抜いちゃ駄目ボード)。
- 増設FDDベイ:増設用3.5インチFDDまたはPCカードスロット搭載可
- ファイルベイ:1個。20倍速CD-ROMドライブ実装済み。
- PCカードスロット:搭載可(増設FDDと排他使用)
- 内蔵FDD:3.5インチ2HD/2DDのFDDを1台内蔵。1台増設可
- 増設内蔵FDDスロット:増設用3.5インチFDDまたはPCカードスロット搭載可
- HDD:全機種内蔵済み ※Ra40 6.4GB / Ra43 8GB。
- CD-ROM:IDE仕様24倍速CD-ROMドライブをファイルベイに実装済み。
- ネットワーク:内蔵(100BASE-TX<10BASE-Tにも対応> オンボードPCI接続)
- パワーマネージメント:あり(内蔵FDD/HDDモータ、省エネ対応モニタの制御)
- セキュリティ機構:パワーONパスワード機能、セットアップパスワード機能、I/Oロック機能(FDD、シリアル/パラレルI/F、筐体ロック機能対応[市販の盗難防止用ケーブルなどを接続。])
- 外形寸法:本体 400(W)×410(D)×150(H)㎜(ゴム足含む) / 約10.0kg
キーボード 439(W)×183(D)×31(H)㎜ 1.2kg - 主な添付品:キーボード、マウス、ガイドブック、電源ケーブル、アース線、保証書。
- Windows98/95インストール済みモデルには添付品セットとして、ソフトウェア関連マニュアル、Windows95等再セットアップ用FD媒体、バックアップCD-ROMが付属。MS-DOS6.2インストールモデルには、ユーザーズマニュアル、ソフトウェアセットアップガイドが付属。
PC-9821Ra40ラインナップ:2000年1月発売
- PC-9821Ra40/M60D5:価格283,000円 Windows98インストール済み 15インチCRT付属
- PC-9821Ra40/W60D5:価格283,000円 Windows95インストール済み 15インチCRT付属
- PC-9821Ra40/D60D5:価格273,000円 MS-DOS6.2インストール済み 15インチCRT付属
- PC-9821Ra40/M60D7:価格323,000円 Windows98インストール済み 17インチ[クロマクリア管]CRT付属
- PC-9821Ra40/W60D7:価格323,000円 Windows95インストール済み 17インチ[クロマクリア管]CRT付属
- PC-9821Ra40/D60D7:価格313,000円 MS-DOS6.2インストール済み 17インチ[クロマクリア管]CRT付属
- PC-9821Ra40/M60DZ:価格248,000円 Windows98インストール済み CRTなし(単体)
- PC-9821Ra40/W60DZ:価格248,000円 Windows95インストール済み CRTなし(単体)
- PC-9821Ra40/D60DZ:価格238,000円 MS-DOS6.2インストール済み CRTなし(単体)
PC-9821Ra43ラインナップ:2000年5月(最終モデル)
- PC-9821Ra43/M5:価格283,000円 Windows98インストール済み 15インチCRT付属
- PC-9821Ra43/W5:価格283,000円 Windows95インストール済み 15インチCRT付属
- PC-9821Ra43/D5:価格266,000円 MS-DOS6.2インストール済み 15インチCRT付属
- PC-9821Ra43/M7:価格276,000円 Windows98インストール済み 17インチ[ダイアモンドトロンNF管]CRT付属
- PC-9821Ra43/W7:価格276,000円 Windows95インストール済み 17インチ[ダイアモンドトロンNF管]CRT付属
- PC-9821Ra43/D7:価格288,000円 MS-DOS6.2インストール済み 17インチ[ダイアモンドトロンNF管]CRT付属
- PC-9821Ra43/MZ:価格248,000円 Windows98インストール済み CRTなし(単体)
- PC-9821Ra43/WZ:価格248,000円 Windows95インストール済み CRTなし(単体)
- PC-9821Ra43/DZ:価格238,000円 MS-DOS6.2インストール済み CRTなし(単体)
※単体とあるのは、CRTが付属しないモデルです。
アクセラレータボードは、グラフィックス・テキストの表示も兼ねており(MS-DOS時のみ利用可)、抜くと何も表示されないため、「抜いちゃ駄目ボード」となっています。
Windows98/98SEの利用には「NEC PCサポートキット for Windows98 Second Edition」が必要です。インストール済みモデルには標準装備。なお、Windows98インストール済みモデルではWindows95には対応しません。
Windows2000Professional/Serverの利用には「NEC PC セットアップガイド for Windows(R) 2000」が必要となります。
この他、MS-DOS6.2、Windows3.1、Windows95、WindowsNTServer 3.51/4.0、WindowsNTWorkstation 3.51/4.0、OS/2WarpV3/ConnectV3/Warp 4、NetWare3.12J/4.1J /4.11J、InternetWareTM、MS-DOSLANマネージャ2.1A/2.1c、N88-日本語BASIC(86)(MS-DOS版) Ver6.2に対応します(前途の通り別途ドライバ等が必要な場合があります)。
すでにPC-9821用Windows2000が発売されていたとはいえ、最終モデルのRa43には搭載されず(稼働可能)、CPUもインテルのサイトからサイト落ちした旧世代のものが敢えて使用されており、性能面ではPC98-NXには及ばないようにされていました。実際にWindows98/95/MS-DOS6.3インストールモデルだけのラインナップで、すでにこの頃は従来資産の継承の為にだけの存在でした。
PC98-NX発表時の公約通り、マイクロソフトからPC-9821対応のWindows98が1998年、また2000年にWindows2000(開発当初はWindowsNT5.0)が発売されました。
21世紀にはPC-9821は受注生産のみという扱いになります。
PC-9821の終了も未だにニーズがある
2003年9月30日でPC-9821シリーズの受注受付は終了しています。このアナウンスがあった時、「まだ売っていたのか?」というのが正直な感想でした。最終機種であるPC-9821Ra43/PC-9821Nr300の出荷は翌月10月中にすべて完了、初代PC-9801発売1982/11から21年間続いてきたPC-9801プロジェクトは終了しました。
Windows98は2006年7月11日をもってサポート終了しています。また、Windows2000は2010年7月13日をもってサポート終了となりました。PC-9821Ra43、PC-9821Nr200の修理サポートは最終生産7年を経過した2010年10月末をもって終了しました。
NECがPC-9801を造るのをやめてからも、何千万円もかけて開発したシステムの減価償却が完了していないことから、PC-9801を使用し続けている企業もあるし、今後システムを変更するにはやはり数千万円もかける必要があるが、そこまでしても回収できないという事情で、敢えてPC-9801を使用し続けている工場等も少なくありません。また、個人でもレトロなゲームを楽しみたいというニーズがあり、PC-9801の中古機を買い求める個人もあります。そのためか、中古機とはいえ、プレミアがついてどれも高価です。
※2018年11月8日改訂
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