PC-9821Xa ※1994/7発売

「CAD/簡易サーバー用途に応えるプロフェッショナル98、新基準を築く。」

前年の1993年11月に発売されたPC-9821Bを作り直したモデルがこのPC-9821Xシリーズで、PCIスロットが標準装備されています。以前あったPC-98XAをイメージさせる名前になっています。通称X-MATEは、1998年8月に最終モデルが発売されましたが、このときの型番も「Xa」でした。

このラインでは、HDDなしのベーシックモデルも用意されていますが、他のモデルはMS-DOS5.0A/Windows3.1がインストール済みとなっています。

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PC-9821Xaスペック

PC-9821Xaカタログより
  1. CPU
    Pentium 90MHz ※セカンドキャッシュ内蔵(256KB)
  2. ROM
    BIOS、N88-BASIC(86)、システムセットアップメニュー他128KB
  3. メインRAM
    7.6MB。最大127.6MB。※本体メモリ専用スロットのサブボードを外し、32MBのサブボード×4枚実装することで可。サブボードは2枚単位で実装する。
  4. ビデオRAM
    512KB。
  5. テキストRAM
    12KB。
  6. テキスト表示(MS-DOS利用時のみ)
    テキスト表示(MS-DOS時のみ利用可)
    英数カナ80文字×25行 / 80文字×20行 / 40文字×25行文字 / 40文字×20行 ※切り換えて使用。
    文字及びグラフィック記号(248種)
    キャラクタ単位にアトリビュート(リバース、ブリンク、シークレット、8色表示カラー[黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白])設定可
  7. カラーグラフィックス(MS-DOS利用時のみ)
    640×400ドット2画面
    4096色中16色
    1677万色中256色表示(MS-DOS6.*のみ)
  8. 画面合成※MS-DOS時のみ利用可
    テキスト/グラフィックス画面の合成可(優先順位付け可)
  9. バックグラウンドカラー※MS-DOS時のみ利用可
    8色表示可(専用高解像度ディスプレイ使用時)
  10. アクセラレータ
    Matrox社製のMGA-II。本体PCIスロットに実装済み(U1はオプション)
    ※ビデオRAM 2MB。
  11. アクセラレータ画面 ※MS-DOS時利用不可
    640×480ドット (1677万色中256色/1,677万色)
    1024×768ドット (1677万色中256色/オプションで1,677万色全色可)
    1280×1024ドット(256色)
  12. 漢字表示標準搭載(MS-DOS利用時のみ)
    文字構成:16×16ドットゴシック体
    文字種類:JIS第1、JIS第2、拡張、非漢字等約7,600種
    ユーザー定義文字機能188種。
    画面構成:40文字×25行、40文字×20行
    ※グラフィックス/テキスト画面に表示可
  13. キーボード
    (スカルプチャータイプ) JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、15ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー。
    セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続)
  14. 内蔵FDD
    3モード対応3.5インチFDDを1台内蔵(1台増設可)
  15. HDD
    IDE/E-IDE仕様。
  16. CD-ROM
    IDE仕様CD-ROMドライブをファイルベイに実装可。
  17. シリアルI/F
    RS232C準拠
  18. プリンタI/F
    セントロニクス社仕様準拠
  19. マウスI/F
    バスマウス仕様
  20. CRT接続
    アナログRGB
  21. サウンド
    PCM録音/再生機能(ステレオ)標準装備。マイクロホン入力(モノラル、ミニジャック、本体前面)。ライン入力 (ステレオ、ミニジャック、本体背面)。ヘッドホン出力 (ステレオ、ミニジャック、本体前面)。ライン出力 (ステレオ、ミニジャック、本体背面)。スピーカ出力 (モノラル)。
  22. 拡張スロット
    16ビットのCバス3個。
  23. PCIスロット
    2個(HDD内蔵モデル「C9W」は1個アクセラレータ実装済み。4倍速CD-ROM内蔵モデル「C10W」はSCSI I/F実装済み)
  24. ファイルベイ
    1個(但しC9W/C10WはファイルベイにCD-ROMドライブを実装済み)。
    ※ファイルスロットとの互換性なし
  25. パワーマネジメント
    内蔵FDD/内蔵HDDのモータON/OFF制御、省エネ対応ディスプレイの制御(専用ディスプレイを接続し、Windows3.1使用時制御可能)。
  26. サービスコンセント
    1個
  27. 電源
    AC100V±10%、50/60Hz
  28. 使用条件
    10~30℃,20~80%(但し結露しないこと)
  29. 外寸
    本体380(W)×420(D)×150(H)㎜(ゴム足含む)
    キーボード:439(W)×183(D)×31(H)㎜
  30. 重量
    Xa/U1:9.6kg
    Xa/U8W:10.1kg
    Xa/C9W:11.2kg
    Xa/C10W:11.6kg
    キーボード:1.2kg
  31. 備考
    HDD内蔵モデルはMS-DOS5.0A/Windows3.1インストール済み。
  32. 発売
    1994/7
  33. 価格改定
    1994/12/9
  34. 備考
    プラグ&プレイサポートソフトウェアを付属(U1モデルを除く)

PC-9821Xaラインナップ

  1. PC-9821Xa/U1
    3.5インチFDD×1(3モード対応)
    HDD内蔵可。
    PCIスロット×2個
    価格640,000円。
    価格改訂後520,000円
  2. PC-9821Xa/U8W
    3.5インチFDD×1(3モード対応)
    HDD270MB。
    PCIスロット×2個
    価格640,000円。
    価格改訂後カタログ落ち
  3. PC-9821Xa/C9W
    3.5インチFDD×1(3モード対応)
    HDD540MB
    IDE仕様のCD-ROM倍速ドライブを実装済み。
    PCIスロット×2個(アクセラレータ実装済みのため空きは1個)
    価格730,000円。
    価格改訂後560,000円
  4. PC-9821Xa/C10W
    3.5インチFDD×1(3モード対応)
    HDD1GB
    SCSIⅡ仕様のCD-ROM4倍速ドライブを実装済み。
    PCIスロット×2個(アクセラレータ及びSCSI I/F実装済みのため空きはなし)
    価格880,000円。
    価格改訂後710,000円

発売後価格変更もあり、10~20万円程度下げられています(C8Wは生産中止?)。

オプションの例

  1. PC-9821X-B01
    Matrox社製アクセラレータ。チップ搭載。U1を除き実装済み。
    価格88,000円。
  2. PC-9821X-B01-01
    PC-9821X-B01用の増設VRAM。2MB。
    価格30,000円。
  3. PC-9821X-B02
    SCSI-II I/Fボード。PCIスロットに実装。
    価格42,000円。
  4. PC-9801-86
    PC-9821Aシリーズと同等のサウンド機能(FM音源6音、リズム音源6音、SSG音源3音、ADPCM録音再生)を実現するためのボード。ジョイスティック1本接続可。専用マイクロホン付き。拡張スロットに実装。
    価格25,000円

CD-ROMドライブはC9WではIDE仕様の倍速ドライブ、C10WではSCSI仕様の4倍速ドライブがファイルベイに内蔵されています。このシリーズから、IDEを拡張したE-IDEが採用されており、現在のATAPIと通じています。

X-MATEからPC/ATと同じ形状のPCIバスが実装されるようになり、ボードを取り付けるには本体カバーを開ける必要があります。Xa/U1では2個使えますが、U8W/U9Wではアクセラレータに1個使用しているので空きは1個のみとなり、C10WではアクセラレータとSCSI I/Fに使用しているので自由に使えるスロットはありません。

アクセラレータはU1を除いてPCIスロットに実装されており、当時早いといわれたMatrox社製のMGA-IIが採用されており、2MBのビデオメモリが実装されています。1024×768ドット 1,677万色中256色表示ができますが、オプションのPC-9821X-B01-01をボード上に実装するとビデオメモリは4MBに増え、1,677万色全色表示も可能になります(640×480ドットでは標準で1,677万色表示可)。

本体テキスト/グラフィックスは、一旦アクセラレータにケーブルで接続され、改めてアクセラレータからCRTに接続する、という形がとられています。本体テキスト/グラフィックスはMS-DOSでのみ利用可能で、Windows等での利用はできません。

XaモデルはX-MATEとも呼ばれ、PCIスロットの採用、E-IDEの採用など、ほとんど内部構造はPC/AT互換機に近いものに仕上がっています。それでも、やはりPC/AT互換機よりも価格が高い印象があります。

コメント

PC-9801は元々国内の工場で生産されていたが、コストダウンを図るため、この頃から海外生産にシフトして来つつあった。ROM-BASICはA-MATEの頃から搭載されてはいたもののFDD/HDDからの立ち上げが前提になったため使用できなくなっている。

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