「プロが求めるこの仕様。」
前年(1993年)のOh!PCではPC-9821でもDOS/V機などと同様にタワー型が標準的になると書かれていましたが、それを実現したのがこのPC-9821Xtで、のちのバリュースターなどで採用されるタワー型の原型ともいえるものです。
PC-9821Xtスペック

- CPU
Pentium 90MHz ※セカンドキャッシュ内蔵(256KB) - ROM
BIOS、N88-BASIC(86)、システムセットアップメニュー他128KB - メインRAM
15.6MB、最大255.6MB。※本体メモリ専用スロットのサブボードを外し、32MB*8実装することで可。サブボードは同容量2枚単位で実装する。 - VRAM
512KB。※本体グラフィックス用 - テキストRAM
12KB。 - テキスト表示(MS-DOS時のみ)
80×25行/80×20行/40×25行/40×20行(切り換えて使用)。
※グラフィック画面とは独立したテキスト画面を継承。
文字単位にアトリビュート設定可能(リバース、ブリンク、シークレット、8色表示)。 - グラフィックス表示(MS-DOS時のみ)
640×400ドット2画面
※4096色中16色表示または1677万色中256色表示 - アクセラレータチップ
本体PCIスロットにフルカラーウィンドウアクセラレータボードX(PC-9821X-B01)及び増設VRAM(PC-9821X-B01-01)を実装済み。
※Matrox社製のMGA-II。
※VRAM4MB。 - アクセラレータ画面 ※MS-DOS時不可
640×480ドット (1677万色中256色/1,677万色)
1024×768ドット (1677万色中256色/1,677万色)
1280×1024ドット(256色)
※本体グラフィックス/テキスト画面とアクセラレータ画面との合成は不可 - 漢字表示(MS-DOS時のみ)
JIS第1水準/JIS第2水準漢字、拡張漢字等約7,600種。 - 内蔵FDD
3モード対応3.5インチFDDを1台内蔵 - HDD
1GB(E-IDE,ライトキャッシュ方式対応)
※専用HDDベイに増設することにより最大5GBまで内蔵可能
※MS-DOS5.0A/Windows3.1インストール済み。 - CD-ROM:標準内蔵(4倍速、SCSI-2対応、フォトCD(マルチセッショ │
ン)対応、平均アクセスタイム230ms[1/3ストローク]) - シリアルI/F
RS232C準拠 - プリンタI/F
セントロニクス社仕様 - キーボード
(スカルプチャータイプ) JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、15ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー。
セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続) - マウスI/F
バスマウス仕様 - CRT接続
アナログRGB - サウンド
PCM録音/再生機能(ステレオ)標準装備。
マイクロホン入力(モノラル、ミニジャック、本体前面)。
ライン入力 (ステレオ、ミニジャック、本体背面)。
ヘッドホン出力 (ステレオ、ミニジャック、本体前面)。
ライン出力 (ステレオ、ミニジャック、本体背面)。
スピーカ出力 (モノラル)。 - 拡張スロット
16ビットのCバス5個。 - PCIスロット
3個。但しそのうち2個をアクセラレータ/SCSI I/F実装のため空きは1個となる - ファイルベイ
1個(4倍速/マルチセッション対応CD-ROMドライブを実装済み) - パワーマネジメント
内蔵FDD/内蔵HDDのモータON/OFF制御、省エネ対応ディスプレイの制御 - サービスコンセント
1個 - 電源
AC100V±10%、50/60Hz - 使用条件
10~30℃,20~80%(但し結露しないこと) - 外形寸法
本体:195(W)×426(D)×425(H)㎜(ゴム足含む)
キーボード:439(W)×183(D)×31(H)㎜ - 重量
本体:17.2kg
キーボード:約1.2Kg - 主な添付品
キーボード、マウス、ガイドブック、システムインストールディスク、デモンストレーションプログラム、バックアップCD-ROM、PCIセットアップディスク、ソフトウェア関連マニュアル、マニュアルセット購入券、電源ケーブル、アース線、保証書 - 発売
1994年7月
PC-9821Xtラインナップ
- PC-9821XtC10W
1994年7月発売
価格:1,000,000円
※1994/12/9価格改定840,000円
DOS/V機などではCD-ROMドライブは倍速が多く専用I/Fカードが付属していましたがPC-9821ではA-MATE時代からSCSI-2を利用することが多かったです。
コメント
ほぼ同スペックのDOS/V機よりも倍以上も高価格であり、これならDOS/V機を選択する人が増えてもおかしくはなかったと思われる。