PC-98DO ※1989年6月発売

「98DO(ドゥ)は、98と88のソフトが1台で楽しめる、生まれながらのマルチタレントです。」

PC-88VAシリーズは失敗に終わり、NECがとった次の方法は、PC-8801ユーザーをそのままPC-9801へ移行させることでした。そのためのマシンとして登場したのがPC-98DOで、基本スペックはPC-9801VM11とPC-8801MHを合体させたマシンです。PC-98DOの「DO」は、楽しいの「DO」とする、やるの「DO」をかけたものらしいです。

PC-98DOスペック

  1. CPU:98モード時V30を8MHz/10MHz切り換えて稼働。88モード時(N)μPD7008AC(Z80H相当品)4/8MHz切り替え
  2. ROM:98モード時N88-BASIC(86)及びモニタ96KB。88モード時N88-BASIC他128KB
  3. RAM:98モード時メインRAM640KB、ビデオRAM192KB、テキストRAM12KB。88モード時メインRAM192KB、ビデオRAM48KB、テキストRAM4KB
  4. テキスト表示:英数カナ80文字×25行/80文字×20行/40文字×25行/40文字×20行。リバース、ブレイク、シークレット。98モード時8色表示、88モード時512色中8色表示(キャラクタ単位に指定可)。
  5. グラフィックス表示:98モード時640×400ドット2画面、640×200ドット4画面各4096色中16色表示。モノクロ時640×400ドット時8画面、640×200ドット時16画面。
    88モード時640×200ドット1画面512色中8色から選択、モノクロ時640×200ドット3画面/640×400ドット時1画面
  6. 画面合成:可(98モード時のみテキスト・グラフィックス画面優先順位設定可)
  7. 漢字表示JIS第1水準漢字ROM/JIS第2水準漢字ROM標準搭載(16×16ドット)、40文字×25行/40文字×20行。98モード時のみユーザー定義文字188種設定可。
    98モード時テキスト/グラフィックス両画面に表示。88モード時はグラフィックス画面のみ表示。
  8. シリアルI/F:RS232C ※98モードのみ
  9. プリンタI/F::セントロニクス社仕様
  10. マウスI/F:バスマウス仕様
  11. カセット(CMT)I/F:オプション、拡張スロット内実装可(300ボー/1200ボー)
  12. CRT接続:アナログRGB
  13. サウンド:FM音源/SSG音源各3重和音の計6重和音8オクターブ/BEEP音
  14. 拡張スロット:16ビットのCバス1個 ※98モードのみ
  15. 内蔵FDD:5.25インチFDDを2台内蔵。※98モードは2HD/2DD自動切り替え。88モードは2HD/2D自動切り替え
  16. HDD外付け可(I/Fボード別売) ※98モードのみ
  17. 外寸:W380×D335×h128㎜ 8.7kg
  18. キーボード:W435×D180(D)×H34㎜ 1.2Kg
  19. 添付品:キーボード、電源ケーブル、ケーブルラベル、サービス網一覧表、お客様登録カード、保証書等
  20. マニュアル:ガイドブック、日本語N88-BASIC(86)関連(入門書、ユーザーズマニュアル、リファレンスマニュアル)等
  21. FD:日本語N88-BASIC(86)システムディスク、88モード用システムディスク(システム及びフォーマットコマンド、バックアップコマンド格納)

※システムディスクは98モード用であるN88-BASIC(86)のみが付属し、MS-DOSやN88-BASIC(88モード用)はオプションとなります。

動作制限

98モード時:数値演算コプロセッサの使用は不可。

88モード時:辞書ROMは内蔵されていない。PC-8801用拡張カードの使用は不可。RAM増設は不可。ハードディスクの使用不可。RS-232Cインタフェースの使用不可。キーボード/マウスはPC-9801用のものを使用。

ラインナップ

  1. PC-98DO:1989年6月発売。298,000円

PC-88VAではテキスト文字(英数)がPC-9801に近い8×16ドット表示となり、CRTCはPC-8801mk2SR以降とは異なるため、この機能を利用するゲーム関係ソフトが動作しないという憂き目に遭いました。そこで、PC-98DOでは88モード時PC-8801mk2SR以降と互換性のあるものに変更し、問題なく動作するようになっています。

デザインはPC-9801をベースとしながらも、FDDは横並びで、PC-8801を同居させていることを示しています。

カタログでは88モードはPC-8801MA2相当、ということでしたが、サウンド機能はFM音源/SSG音源6重和音であるので、実際にはMH相当です。

また、88モードでは拡張スロット/RS-232Cが使用できません。また、マウスはPC-9801用を使用します。

88/98ユーザーから敬遠されたマシン

88モードでゲームをするにしても、PC-8801用のジョイスティックやマウスが使えないこと、またMA2相当のサウンド、といっても実際はMH相当のサウンド機能です。

98モードでビジネスに使うにしても、拡張スロットは一つしかなく、HDDインタフェースを入れたらEMSメモリは入れられない、かといってEMSメモリを入れたらHDDは使えない、という状況で、一太郎など市販ソフトを使うのにも不自由があります。市販ソフトの多くはHDD前提となっているし、HDDを接続してもEMSを設定しないと動作しない場合も多くあります。非常に使い勝手の悪いマシンです。

それならPC-9801とPC-8801を両方2台揃えた方がよほど簡単で、PC-8801/PC-9801ユーザー双方から敬遠されることとなりました。

よいパソコン悪いパソコンのPC-98DOに対する「結論」

何時も試用してから「いざ使ってみると」に続いて「結論」に進んでいるが、今回は発売直後で時間がなく試用することができなかったらしい。以下はその要旨です。

スペックを見る限りどうしようもないマシンであることが分かる。PC-9801の手詰まりを打開するために、とっくに終わっているPC-8801を持ち出す感覚は理解のしようがない。

おそらくパパが98モードで仕事に使い、子供が88モードでゲームを楽しむということだろうが、ファミコンのゲームに慣れた子供には見向きもされないだろう。また、仕事で使おうにも、ハードディスクインタフェースがオプションでは、決して安い買い物とは言えない。

大人から子供までバカにしためちゃくちゃなコンセプトのこのマシンを、今年最大の「笑えるマシン」といったら言いすぎだろうか。

寸評:今年中にはなくなりそう

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あとがき
PC-98DOが発売された1989/6時点では、まだPC-8801はMA2とFEという廉価機が発売されていたが、すでにPC-8801自体が衰退しており、何時終了してもおかしくない状況だった。
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