PC-98DO+ ※1990/10発売

「ハートふたつのやさしいパソコン。」

PC-98DOのモデルチェンジ機PC-98DO+は、CPUをV33(80286相当)に変更し、88モード時のサウンド機能をPC-8801MA2相当にアップしたマシン。

もう一つのカタログコピーは、「”98のビジネスソフトも使いたい。でも88のホビーソフトも魅力的。”こんなワガママ新しいDO+なら、心地よくひきうけてくれます。」

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PC-98DO+スペック

PC-98DO+カタログ
  1. CPU
    98モード時V33A 16MHz。
    88モード時μPD7008AC(Z80H相当品)4/8MHz切り替え
  2. ROM
    98モード:N88-BASIC(86)及びモニタ96KB。
    88モード:N88-BASIC他128KB
  3. RAM
    98モード時:640KB。EMS拡張メモリ内蔵可(98NOTE用を使用する)。
    88モード時:192KB。
  4. VRAM
    98モード時:256KB。
    88モード時:48KB。
  5. テキストRAM
    98モード時:12KB。
    88モード時:4KB。
  6. テキスト表示
    英数カナ80文字×25行/80文字×20行/40文字×25行/40文字×20行。
    キャラクタ単位にアトリビュート設定可。リバース、ブレイク、シークレット、8色表示。
    ※88モードのV2時のみ時512色中8色表示。
  7. グラフィックス表示
    ■98モード時
    640×400ドット2画面、640×200ドット4画面各4096色中16色表示。
    モノクロ時640×400ドット時8画面、640×200ドット時16画面。
    ■88モード時
    640×200ドット1画面512色中8色から選択、
    モノクロ時640×200ドット3画面/640×400ドット時1画面
  8. 画面合成
    可(98モード時のみテキスト・グラフィックス画面優先順位設定可)
  9. 漢字表示
    JIS第1/JIS第2、非漢字等。
    (16×16ドット)40文字×25行/40文字×20行。
    98モード時のみ拡張漢字及びユーザー定義文字188種設定可。
    98モード時テキスト/グラフィックス両画面に表示。
    88モード時はグラフィックス画面のみ表示。
  10. バックグラウンドカラー
    ■98モード時
    8色表示可(専用高解像度ディスプレイ使用時)
    ■88モード時
    8色中1色指定可
    512色中1色指定可 ※注N88-BASICのV2モードのみ可能
  11. 内蔵FDD
    5.25インチFDDを2台内蔵。
    ※98モードは2HD/2DD。88モードは2HD/2D
  12. キーボード
    (スカルプチャータイプ) JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、10ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー。
    セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続)
  13. HDD内蔵可能(SASI) ※98モードのみ
  14. シリアルI/F
    RS232C準拠 ※98モードのみ
  15. プリンタI/F
    セントロニクス社仕様準拠
  16. マウスI/F
    バスマウス仕様。変換コネクタ(オプション)を装着すれば、98モードでもPC-8801用マウスやアタリ規格のジョイスティックを接続できる。
  17. CRT接続
    アナログRGB
  18. サウンド
    98モード時:FM音源/SSG音源各3重和音の計6重和音8オクターブ。
    88モード時:OPNA(YM2608)FM音源6重和音+リズム6音+SSG音源3重和音+ADPCM1音の録音再生。
    ※両モードとも外部オーディオ接続端子付き
  19. 拡張スロット
    16ビットのCバス1個 ※98モードのみ
  20. サービスコンセント
    1個
  21. 電源
    AC100V±10%、50/60Hz
  22. 使用条件
    10~30℃,20~80%(但し結露しないこと)
  23. 外寸
    本体:W380×D335×h128㎜
    キーボード:W435×D180(D)×H34㎜
  24. 重量
    本体:9.2kg
    キーボード:1.2Kg
  25. 添付品
    キーボード、電源ケーブル、ケーブルラベル、サービス網一覧表、お客様登録カード、保証書等
  26. 添付マニュアル
    ガイドブック、日本語N88-BASIC(86)関連(入門書、ユーザーズマニュアル、リファレンスマニュアル)等
  27. 添付FD
    日本語N88-BASIC(86)システムディスク、88モード用システムディスク(システム及びフォーマットコマンド、バックアップコマンド格納)
  28. 価格
    278,000円
  29. 発売
    1990/10

※MSーDOSやN88-日本語BASIC(88モード用)はオプションです。

動作制限

  1. 98モード時:数値演算コプロセッサの使用は不可。
  2. 88モード時:辞書ROMは内蔵されていない。PC-8801用拡張カードの使用は不可。RAM増設は不可。ハードディスクの使用不可。RS-232Cインタフェースの使用不可。キーボードはPC-9801用のものを使用。

オプションの例

  1. PC-98DO/P-11:PC-98DO+のマウスコネクタに装着してアタリ規格のジョイスティックやPC-8801用マウスを接続するためのアダプタ。2,000円
  2. PC-98DO*-36:40MBHDD(専用スロットに実装) 150,000円
  3. PC-88d42-MW:N88-BASICシステムディスク。88モード用。
  4. 純正専用スロット内蔵EMSメモリ
    ■PC-9801N-02:1MB増設RAMカード 65,000円
    ■PC-9801N-01:2MB増設RAMカード 140,000円

最後の88アーキテクチャ採用機

98モード時は、CPUにV33A 16MHz、EGC、増設用FDD端子を搭載し、 HDD内蔵可能(SASIの40Mバイトのみ)、98NOTE用の増設EMSメモリカードスロットを装備し、一太郎など当時のPC-9801の標準的なソフトウェアを動かすに足る仕様を備えた(80286以上用のプロテクトメモリやソフト、拡張カードは使用出来ない)。

PC-98DO+はV30系CPUながらEGCによるグラフィックスの高速化を図っており、ゲームソフトで動作条件が「VX以降」とある場合、286以上をいっているのかEGCをいっているのかあやふやな部分があり、これを利用するゲームソフトが動作するのかどうか微妙な部分がある(PC-9801UR/UFと同じ)。

88モードではサウンドボード2相当音源を文字通り内蔵することで、PC-8801MA2相当の機能となっている。マウス変換コネクタPC-98DO/P-11をマウスコネクタに装着することで、98モードでもYM-2608B内蔵のジョイスティックポート経由でアタリ規格のジョイスティックを使用出来、この機能は後のPC-98GSやA-MATE、それにCanbeではないMULTiに引き継がれている。

PC-8801は前年1989年11月にMCとFE2という廉価機を発売、これを持ってPC-8801約8年の歴史にピリオドが打たれていた。すでに大多数のPC-8801ユーザーはPC-9801を買い足して2台併用する形でPC-9801へと移行しており、また一部のゲームユーザーはX68000等に移行していった。

98と88両方2台揃えた方がよほど簡単

例の「よいパソコン悪いパソコン」ではこのような評価がされていた。前機種PC-98DOと同じく、試用はされてないので「いざ使ってみると」がなく、「結論」のみとなっている。

PC-9801とPC-8801の両方のソフトが動く、といってもいろいろな制限があるので、取扱説明書をよく読まないとおかしなことが起こりかねない。それならPC-9801と中古でPC-8801の2台両方揃えた方がよほど簡単だろう。

今後88モード用にどれだけゲームが開発されるのかとなるとこの水陸両用機(?)も先が長くなさそうだ。

寸評:今年中には終わりか?

結論

機能的には特に問題はなかったが、すでにPC-8801を持っている人はPC-9801を購入して2台両方揃えた方が簡単に使えるし、すでにPC-8801の最終機種が発売されて1年経っており、初めてPCを買う人は単にPC-9801を買えば良いので結果的にヒットすることはなかった。

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