PC-98GS 91/11 ※1991/11発売

「98から始まるマルチメディア。」
「文字も、画像も、サウンドも。人が求めるメディアコミュニケーション、PC-98GS登場。」

PC-98という型番のマシンは、どれも実験機的な要素が強いが、このPC-98GSというマシンは、マルチメディアの実験機、というところだろうか。

このマシンあたりからカタログに「マルチメディアのNEC」と書かれるようになった。

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PC-98GSスペック

PC-98GSカタログ
  1. CPU
    i386SX(20MHz)
    V30(8MHz)
    ※切り換えて稼働。
  2. コプロセッサ
    i387SX
    ※i386SX稼働時のみ使用可。
    i8087
    ※V30の8MHz時のみ使用可。
  3. ROM
    N88-BASIC(86)及びモニタ96KB。
    メインRAM
    2.6MB、最大12.6MB(メモリ専用スロット6MB)
  4. ビデオRAM
    256KB。拡張用1MB。
  5. テキストRAM
    12KB。
  6. テキスト表示
    英数カナ80文字×25行 / 80文字×20行 / 40文字×25行文字 / 40文字×20

    ※切り換えて使用。
    文字及びグラフィック記号(248種)
    文字単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、8色表示カラー(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。
  7. カラーグラフィックス
    640×400ドット2画面
    640×200ドット4画面
    ※アナログRGB接続時4096色中16色
    ※デジタルRGB接続時8色表示
  8. モノクログラフィックス
    640×400ドット4画面
    640×200ドット16画面
  9. 画面合成
    テキスト/グラフィックス画面の合成可(優先順位付け可)
  10. バックグラウンドカラー
    8色表示可(専用高解像度ディスプレイ使用時)
  11. グラフィックス拡張表示
    640×200ドット / 640×240ドット / 640×400ドット / 640×480ドット。1,677万色同時発色・165,536色同時発色・1,677万色中256色同時発色。
  12. Windowsモードグラフィックス表示
    1,024×512ドット時65,535色、1,024×240ドット時1677万色
  13. グラフィックスフレームバッファ
    640×200ドット(4ビット) / 640×400ドット(4ビット) / 640×480ドット(4ビット)。
    1,024×256ドット(24ビット) / 1,024×512ドット(16ビット) / 1,024×512ドット(8ビット)
  14. デジタイズビデオ表示
    NTSCビデオ画像:1577万色ビデオ表示
    ※オプションのビデオボードが必要
  15. バックドロップ表示
    オーバースキャン領域全体を1677万色中1色で表示
  16. 画面合成/特殊機能
    スムーススクロール/球面スクロール(拡張表示のみ)
    プライオリティ付属画面表示(透明/半透明指定可)
    フェードイン/フェードアウト
    論理演算付2画面合成
  17. ビデオデジタイズ(オプションの「ビデオボード」が必要)
  18. 漢字表示標準搭載
    文字構成:16×16ドットゴシック体
    文字種類:JIS第1、JIS第2、拡張、非漢字等約7,600種
    ユーザー定義文字機能188種。
    画面構成:40文字×25行、40文字×20行
    ※グラフィックス/テキスト画面に表示可
  19. 内蔵FDD
    3.5インチ2HD/2DDのFDDを2台内蔵。
  20. HDD
    40MB内蔵済み(SASI)
  21. 外付けFDD用I/F
    2HDのものが接続可
  22. 内蔵CD-ROM仕様
    SCSI I/F。平均アクセスタイム350msカートリッジケースによるフロントローディング方式(キャディ式)
  23. キーボード
    (スカルプチャータイプ) JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、15ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー。
    セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続)
  24. シリアルI/F
    RS232C準拠
  25. プリンタI/F
    セントロニクス社仕様準拠
  26. マウスI/F
    バスマウス対応。PC-98DO/P-11をコネクタに装着すればアタリ規格のジョイスティックを接続できる。この場合マウスとの併用は不可。
  27. AVスロットI/F
    ビデオカード専用
  28. SCSII/F
    内蔵済み
  29. SASII/F
    内蔵HDDに外付け端子が出ている
  30. CRT接続
    アナログRGB
  31. サウンド
    YM2608(OPNA)搭載。ADPCM音源1ch ステレオ、リズム音源6ch ステレオ、FM音源6ch ステレオ、SSG音源3chモノラル。ADPCM録音再生では音響特殊効果をつけることが可能。外部オーディオ端子付き
  32. 拡張スロット
    16ビットのCバス4個
  33. サービスコンセント
    2個
  34. 電源
    AC100V±10%、50/60Hz
  35. 使用条件
    10~30℃,20~80%(但し結露しないこと)
  36. 外寸
    本体(W)380×(D)343×(H)150㎜。
    キーボード:435(W)×180(D)×34(H)㎜
  37. 重量
    model1:10.5
    model2:11.7kg
    キーボード:1.2kg
  38. 添付品
    キーボード、マウス、電源ケーブル、アース線、終端BOX、CD-ROMカートリッジ、保証書、ケーブルラベル、お客様登録カード、サービス網一覧表、グリーティングカード。
  39. 添付マニュアル14冊
    ガイドブック、ハードウェアマニュアル、インストールガイド、MS-DOS5.0(2冊)、MS-WINDOWS3.0A(4冊)、AuthorwareStar(5冊)
  40. 添付FD22枚
    GSガイドツアー(4枚)、MS-DOS5.0(3枚)、CD-ROMExtensions(1枚)、MS-WINDOWS3.0A(4枚)、AuthorwareStar(10枚)
  41. 発売
    1991年11月
  42. 備考
    MS-DOS5.0インストール済み、Microsoft Windows3.0Aインストール済み、AuthorwareStar(オーサウェアスター)インストール済み

PC-98GSラインナップ

  1. PC-98GS model1
    3.5インチFDD×2
    HDD40MB内蔵
    CD-ROMなし(外付け可)
    価格698,000円
  2. PC-98GS model2
    3.5インチFDD×2
    HDD40MB内蔵
    CD-ROM等速ドライブ内蔵(キャディ式)
    価格828,000円

オプションの例

PC-98GS-C1:PC-98GS専用15インチアナログCRT。
PC-98GS-02:ビデオボード。テレビやビデオの画面をデジタイズして取り込むためのボードで、1677万色に対応する。専用スロットに実装。
PC-SP101:スピーカー2本とステレオアンプのセット。

当時としては先進的機能を満載した故に価格の高騰化

すでに発売済みのPC-9801DA/DS/DXではV30の搭載はやめ、インテルCPUのみ搭載となっていたが、本機では開発に長期間を要しており、V30も搭載した仕様のままで発売された。

本機ではMS-DOS5.0とWindows3.0がプリインストールされているので、買ってきてすぐに使うことができる。ビデオ編集ソフトとしてオーサウェアスターもインストールされている。

マルチメディアの実験機、とはいってもWindows3.0にはまだマルチメディア機能が搭載されてなく、別売のマルチメディアエクステンションを組み込まないといけないが、発売当時はまだ日本語版は出ていなかった。

このマシンでは、PC/AT互換機のVGAモード、つまり640×480ドット表示が標準搭載されたこと、また1,677万色表示が可能となっている。

サウンドも、ADPCM録音機能が装備され、FM音源/SSG音源も各6重音に増えている。PC-8801MA等と同じ、サウンドボードIIの機能である。ADPCMはHDDの容量が許す限りいくらでも録音できる。

PC-98DO/P-11をマウスコネクタに装着してアタリ規格のジョイスティックを接続することもできる(この場合マウスとの併用は出来ない)。

CD-ROMドライブも初めて搭載されているが、等速であること、また価格が非常に高いことも驚かされる。

Windows3.0日本語版が発売されていたとはいえ、対応ソフトはほとんどなく、当時はまだまだMS-DOS全盛期だった。当時としては機能をめちゃくちゃに詰め込んだこともあり、価格もあまりにも高額すぎて売れなかったというショップが多かったという。

寸評:看板倒れの危険あり

結論

標準価格がCD-ROMなしモデルでも698,000円もする。まさか、こんな高価なマシンをビデオタイトラーに買う人はいない。将来もしマルチメディアが盛んになるとしても必ずサードパーティが機器を出して対応してくるはずなので、必要に応じて買い足していけばよい。というわけでこのマシンはパスしたい。

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