「高速CPUと高精細グラフィックスで 専門分野のニーズに応えるプロフェッショナル32ビット。」
XLとXL2を統合したのがこのRLで、最後のCバスハイレゾモデルともなり、外見ではPC-9801RAと同じデザインながら横長になっていることが大きな特徴だ。
(H)はハイレゾ、(N)はノーマルと称する。また、RL2/RL5発売1年7ヶ月後に発売されたRL21/RL51は価格のみ引き下げた程度で、性能はRAシリーズと合わせ、(N)時に20MHz動作モードが追加されたのみなので、ここでまとめて記する。
PC-98RLスペック

- CPUモード
(H)(N)i80386 16/20MHz ※(N)時の20MHz動作はRL21/RL51から
(N)V30 8MHz
※ハイレゾモード/ノーマルモードいずれか切り換えて稼働。 - コプロセッサ
i80387(H)(N)
※80386稼働時のみ使用可
i8087(N)
※V30稼働時のみ使用可 - ROM
(H)モニタ及びローダー64KB
(N)N88-BASIC(86)及びモニタ96KB。 - メインRAM
1.5MB。 - メインRAM増設
(H)最大14.5MB
(N)最大14.6MB
※専用スロットに増設 - ビデオRAM
(H)512KB
(N)256KB - テキストRAM
12KB - テキスト表示
(H)80文字×25行
(N)80文字×25行/80文字×20行。40文字×25行/40文字×20行。
(H)(N)文字単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、8色表示(黒、青、赤、マゼンタ、緑、シアン、黄、白)。 - グラフィックス表示
(H)
1120×750ドット画面。4096色中16色時1画面、16階調濃淡表示1画面、モノクロ時1画面。
(N)
640×400ドット2画面、640×200ドット4画面。各4096色中16色表示。
モノクロ時640×400ドット8画面、640×200ドット16画面。 - 画面合成
可(優先順位設定可) - 漢字表示
JIS第1水準漢字、JIS第2水準漢字、拡張漢字標準搭載、ユーザー定義文字188種。
(H)40文字×25行、24×24ドット。明朝体
(N)40文字×25行/40文字×20行、16×16ドット。ゴシック体
※(H)(N)テキスト/グラフィックス画面に表示可。 - 内蔵FDD
5.25インチ2HD/2DD両用FDDを2台内蔵。 - 内蔵HDD
RL2/RL21:内蔵可
RL5/RL51二はSASI40MB内蔵(増設可) - FDD外付け用I/F
2HD仕様のものが接続可 - キーボード
(スカルプチャータイプ) JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、15ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー。
セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続) - シリアルI/F
RS232C準拠 - プリンタI/F
セントロニクス社仕様準拠 - マウスI/F
バスマウス仕様 - CRT接続
アナログRGB - サウンド
オプション、拡張スロット内に実装 - 拡張スロット
16ビットのCバス4個 - サービスコンセント
2個 - 電源
AC100V±10%、50/60Hz - 使用条件
10~30℃,20~80%(但し結露しないこと) - 外寸
本体:(W)470㎜×(D)405㎜×(H)150㎜
キーボード:(W)435㎜×(D)180㎜×(H)×34㎜ - 重量
model2 / model21:12.4kg。
model5 / model5:13.8kg。
キーボード:1.2kg - 添付品
グリーティングカード、キーボード、アース線、電源ケーブル、プリンタケーブル、RS-232Cチェック用ループコネクタ、ケーブルラベル、サービス網一覧表、お客様登録カード、保証書 - 添付マニュアル
ガイドブック、ハードウェアマニュアル、システムチェックマニュアル - 添付FD
システムチェックプログラム、PCトレーニングディスク - 発売
PC-98RL2/5:1989年2月
PC-98RL21/51:1990年9月発売
ハイレゾモードは、アートとして使うよりも、CAD/CAM用途やDTPに使うために搭載されているモードである。
- PC-98RL2/5ラインナップ
PC-98RL model 2
5.25インチFDD×2
HDDオプション(SASI)
価格735,000円 - PC-98RL model 5
5.25インチFDD×2HDD
40MB内蔵(SASI)
価格970,000円
価格を引き下げるマイナーチェンジ
1990年1月にPC-H98シリーズが登場すると、本機の立場は微妙なものとなってしまい、価格を引き下げるマイナーチェンジを行われた。これは、型番からいっても常套手段に出たわけだ。
- PC-98RL21/51ラインナップ
PC-98RL model 21
5.25インチFDD×2
HDDオプション(SASI)
価格700,000円 - PC-98RL model 51
5.25インチFDD×2
HDD40MB内蔵(SASI)
価格860,000円
その他の変更点は、ノーマルモード(N)時、386DX 20MHzモードが追加されたこと位で、RA21/RA51と合わせたわけである。
ハードディスク搭載モデルは11万円、未搭載モデルでも35,000円安くなっている。とはいえ、個人で購入するにはやはり高価である。以降は、PC-H98にハイレゾが引き継がれ、個人で使える高解像度マシンは1993年1月登場のPC-9821Aからになった。
結論:ハイレゾはまだまだ遠い道
結論
ハイレゾリューションモードは日本語の表示という点からも絶対必須であったが、いかんせん高価格すぎて個人で買うのは冒険となってしまった。何とか低価格で販売されることが望まれていたが、個人レベルで使えるようになるのはPC-9821Aからで、本機登場から5年後である。