「先進のアーキテクチャNESA採用。PCをリードするHyper98。」
RLからの流れを汲むハイレゾ/ノーマル両用マシンで、次世代バスといわれるNESAを搭載したマシンだ。グラフィック同時発色数は4096色中16色表示で、256色ボードを足すことで、1600万色中256色表示できる。
ハイレゾモードは(H)、ノーマルモードは(N)と記する。
PC-H98model70スペック

- CPU
(H)386(33MHz/20MHz相当)
(N)386(33MHz。V30 8MHz相当あり)
※切り換えて稼働。 - コプロセッサ
使用可(387DX) - ROM
(H)BIOS64KB(N)
N88-BASIC(86)及びモニタ96KB。 - メインRAM
model70-002:メモリ1.5MB
model70-100:メモリ5.5MB
※最大43.5MB利用可。 - ビデオRAM
(H)512KB。
(N)256KB。 - テキストRAM
16KB。 - テキスト表示
(H)80×25行
(N)80×25行/80×20行/40×25行/40×20行。※切り換えて使用。
各モード:キャラクタ単位にアトリビュート設定可。リバース、ブリンク、シークレット、8色または16色表示。 - グラフィックス表示
(H)1120×750ドット1画面。
(N)640×400ドット2画面。
(N)640×200ドット4画面。
各モード4096色中16色表示。※オプション使用時1600万色中256色表示。 - モノクログラフィックス表示
(H)1120×750ドット表示。16階調濃淡表示4画面、モノクロ時4画面。
(N)640×400ドット8画面。
(N)640×200ドット16画面。 - 画面合成
可(優先順位設定可) - 漢字表示
JIS第1水準漢字、JIS第2水準漢字、拡張漢字標準搭載。
ユーザー定義文字188種。
(H)40文字×25行、24×24ドット。明朝体。
(N)40文字×25行/40文字×20行、16×16ドット。ゴシック体。
※各モード:テキスト/グラフィックス画面に表示可。 - 内蔵FDD
5.25インチ2HD/2DD両用FDDを2台内蔵。 - FDD外付け用I/F
2HDのものを接続可 - HDD
model70-002:内蔵可(SCSI)
model70-100:100MB内蔵済み(SCSI) - キーボード
(スカルプチャータイプ) JIS標準配列準拠、テンキー、コントロールキー、15ファンクションキー、キャピタルロック可、HELP、COPY、BS、INS、DEL、XFER、NFERキー。
セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続) - シリアルI/F
RS232C準拠 - プリンタI/F
セントロニクス社仕様準拠 - マウスI/F
バスマウス仕様 - CRT接続
アナログRGB - サウンド
オプション。拡張スロット内に実装。 - 拡張スロット
NESAバス兼16ビットのCバス4個 - サービスコンセント
2個 - 電源
AC100V±10%、50/60Hz - 使用条件
10~30℃,20~80%(但し結露しないこと) - 外寸
本体:(W)470×(D)345×(H)150㎜
キーボード:(W)435×(D)180×(H)34㎜ - 重量
model70-002:13.5kg
model70-002:15kg
キーボード:1.2kg - 主な添付品
グリーティングカード、キーボード、AC電源ケーブル、アース線、プリンタケーブル、ケーブルラベル、ケーブルカバー、サービス網一覧表、お客様登録カード、保証書 - 添付マニュアル
ガイドブック、ハードウェアマニュアル、システムチェックマニュアル - 添付FD
リファレンスディスク/システムチェックプログラム(1枚に収録)、PCトレーニングディスク - 発売
1990年1月
PC-H98 model70ラインナップ
- PC-H98 model70-002
メモリ1.5MB
HDD内蔵なし(内蔵可/SCSI)
価格995,000円 - PC-H98 model70-100
メモリ5.5MB
HDD100MB内蔵済み(SCSI) - 価格1,680,000円
- PC-H98-E02
1977万色中256色表示を可能とするボード。本体内に実装。
32ビットNESAバス
NESAバスは、32ビットバスで、16ビットのCバスと共用する(自動認識)。すでにRA(DA/FAも)モデルを使った人なら実感したと思うが、専用のメモリスロット内にメモリ増設するのに比べると、拡張スロットにメモリ増設するのでは速度低下が発生する。これは、32ビットと16ビットのバスの違いによるものなので、多少高価でもメモリスロット用のボードを買うことが自衛策となる。こういった問題から、32ビット汎用バスが開発された。
NESAバスは、同時期開発されたPC/AT互換機用のEISAバスとよく比較されたが、EISAバスはIBMのPS/2で採用されたMCAバスの使用料が高すぎたので、PC/AT互換機メーカーが一致団結して別途作った規格である。
もっとも、PC-9801互換機を造っているのはエプソンだけだから、NESAでは特に互換性の問題はなかった。
このマシンはとても個人で購入できるような価格ではないが、NECとしては企業に売り込みたかったようだ。もっとも、企業でもあまり採用された事例はなかったようだ。
寸評:次世代98も価格が大きな障害
コメント
次世代98、ともてはやされたが、いかんせん高価格すぎ、個人で買うのは自己満足に浸る(?)ようなものだった。企業でもPC-9801RA/RS/RXの方がよく売れていた。