PC/AT互換機の経緯

Windows7
Windows7 / KrAzY KorY

現在のパソコンはPC/AT互換機が事実上世界標準となっていますが、日本で普及し始めるのは1992年後半のコンパックショックがきっかけであり、Windows3.1の普及と合わせ1994年後半には日本でも主流となっています。

1984年に開発されたIBM PC/ATはそれ以前のPC/XTの上位互換であり、バスも8ビットXTバスと16ビットISAバスを備えたマザーボードがごく普通でした。特にISAバスはPentiumの時代になっても搭載されていたほど、ここに挿しこむボードが多かったのです。

PC/ATはIBMが短期間でPC市場に投入する関係上、オープンアーキテクチャといって、ハードウェア/ソフトウェアの仕様をビス穴の位置に至るまで公開し、周辺機器を作りやすくする戦略が採られ、確かに周辺機器やソフトは大量に作られた反面、互換機市場を生み出す結果になったものです。

スポンサーリンク

1.ソフトはマシンの命運を握る

かつてPC-9801が「一太郎マシン」と呼ばれたこともあったほど、ソフトはそのマシンの命運を握っている、といっても過言ではありませんでしたが、PC/AT互換機ではロータスの「Lotus 1-2-3」を動かすためのマシンとして多く利用されていました。OSもIBMが「PC-DOS」の名前でMS-DOSを採用したことから、事実上標準OSとなった経緯があります(当時IBMとマイクロソフトは仲が良かった)。

2.MCAバスとEISAバス

オープンアーキテクチャは互換機市場を生み出し、IBMがいくらPC/ATの規格はうちの会社が作った、といっても無数にある互換機メーカーにはかなわず、32ビットのMCAバスはクローズド戦略として開発したものの、ライセンス料が高すぎて互換機メーカーは別途ISA(AT)バスの拡張規格であるEISAバスを作るという経緯もありました。しかしこの32ビット規格のEISAバスも高価なものとなり、サーバー用途以外に使われることはありませんでした

3.VESAバス

486が普及するにつれ、ISAバスでは速度低下が発生します。かといって、次世代バスの規格が定まらないままというわけにもいかず、ビデオカードのメーカーがVLバス(VESA)を開発します。これはCPUのバスに直結するという危険な規格だったとはいえ、ビデオカード搭載用バスとして多く利用されました。また、I/Fカードもここに取り付け用のものが多く発売されています。

4.PCIバス

インテルが提唱した32ビットバスで、一部486用マザーボードにも採用例がありましたが、本格的に普及するのはPentiumのマザーボードからです。現在はこれをベースに拡張したPCI規格が採用されています。

5.マザーボード

486時代まではキーボードコネクタまでは装備されていたものの、各種I/Fは装備されておらず、別途I/Fカードを取り付ける必要があり、ISAバス仕様やVLバス仕様のものがありました。Pentiumマザーボードからは基本的なI/Fはオンボードに備えられるようになり、キーボード/マウス/FDD/E-IDEなどのコネクタが備えられるようになりました。

レイアウトはPC/ATの規格でしたが、1995年からはインテルが提唱したATX規格が普及し始めました。バックにはキーボード/マウス/シリアル/パラレルのI/Fコネクタが装備されている(当時)ので、ボード上のコネクタからケーブルで引き出す必要がなく、ケース内がすっきりします。ATX規格では電源のオン・オフも基本的にソフト的に行うようになっています。

キーボードとマウスI/FはMCAバス時代に採用されていたPS/2規格(レガシーI/Fと呼ばれる)のものがATXマザーでは標準的に採用されています。

現在では、バックに出るI/Fの種類も多くなり、マザーボードに専用のバックパネルが付属するようになっています。


The 2 worlds together / sridgway

日本での普及状況

PC-9801が全盛期だった頃から、PC/AT規格のPCを普及させようという動きはあり、AXマシンが1988年には登場したものの、日本語表示に特殊なハードウェアが必要だったことから、普及するには至らなかった経緯があります。1990年に日本IBMがソフトウェアのみで日本語表示可能としたDOS/V規格を発表、オープンアーキテクチャデベロッパーズグループ(OADG)が発足してからです。1991年から1992年頃はDOS/V対応の日本語版ソフトも徐々に出てきましたが、1993年にWindows3.1日本語版が出荷されると同時に急速な普及を見て、1994年にはかなりの普及を見るところまで進んでいます。

1997年にNECがPC-9821からPC/AT互換機であるPC98-NXを発売したこと、また1998年には一般向けのPC-9821の発売を事実上終了したところから、日本でもPC/AT互換機が標準機となっています。

PCショップでもマザーボードやCPU、ビデオカード等の部品で組み立てた「ショップブランド」PCを出せるようになったし、個人でも部品を買い集めて組み立てPCができます。但し、完全互換、というわけではなく微妙に違いが生じるため、いわいる「相性問題」が生じますが、これが互換機なのだとされます。このため、パーツショップによっては、相性保証付きで販売している例が多くあります。

現在では、大手PCメーカーでもネット通販を行っているサイトが多くありますが、ビデオカードやHDD容量、その他希望に応じて変更できる「カスタマイズ」で出荷しており、目的にあったPCが買えるようになっています。

現在のMacもIntel系CPUを搭載したiMacになっており、Windows系OSを動かすことができることから、ほとんどすべてのPCがPC/ATの流れを汲む、と見ることも可能と思う。

コメント

タイトルとURLをコピーしました