巨大SX/AXDはやはり高額な3代目アトラクス

ビクセン最高峰の赤道儀は、カタログに載っていないGAIAX赤道儀で、当初はSS2000PCorSBの切り替え方式でしたが、最近SBTに統一されたようです。カタログ掲載機は勿論AXD赤道儀です。

VixenからAXD赤道儀が発売されて3年近く経っていますが、ほとんど値引きがないままで販売されています。一方で、天文ガイド2013/1号のフォトコンの入賞作品にAXDを使ったものがありました。

アトラクス赤道儀シリーズは、元々セレストロンと業務提携していた時代、C11搭載用に開発され、現在のAXDは3代目ということですが、倍以上に希望小売価格が上がっています。

アトラクス赤道儀の履歴は以下のようになっています。

1.初代アトラクス

DD-1仕様のパルスモーター仕様で、自動導入コントローラーとしてはSS3Dが用意されていましたが、導入速度は32倍速と遅いので、あまり実用的とはいえないと思います。この時点では上級者向けという位置づけであり、手動導入の方が早くできるので、当時の技術ではそれでよかったのです。追尾制度はピカイチだったと語られています。

2.SS2000PC版アトラクス

コントローラーSS3Dが生産終了となり、在庫のみとなったので、SS2000PCに合わせたDCモーターに変更したのがニューアトラクスです。デザインは初代機と変わらずです。DCモーターはエンコーダー付きで、DCモーター自体天体写真バリバリ派には評判が良くないですが、天体写真機としても多く利用されました。

3.SB版アトラクス

SS2000PCはSX赤道儀とSB発売後、在庫販売のみとされましたが、2回に渡り100台ずつ再生産されました。その後ニューアトラクスはカタログ落ちしましたが、SBを搭載して再度ラインナップされました。デザインは同じですが、コネクタ類はピラー部分に移動してフラット化されています。但し、カラーリングはロゴ部分が青くなり、黒地にゴールド文字で高級感のあるSXDとは対照的になっています。

ここまでは、先にGPやSXシリーズを開発してそれをベースに機能アップしたアトラクスを開発する、という形でした。

2代目アトラクスは、SS2000PC搭載機とSB搭載機に分けられますが、後者のSB搭載機は、天体写真バリバリ同好会の人達に絶対に出ない出てほしくない)と耳にたこができるぐらい言われたことがある機種でした。

機能を詰め込んだ最高級赤道儀、3代目のAXD

前機種にあたるSTARBOOK版ニューアトラクスは価格面でタカハシを意識した内容であったため、性能的に中途半端なものになったが、今回はタカハシを意識せずに納得行く内容のものを目指した、価格は50万円台に抑えたい、また外付けオートガイダーは使わなくて済むようにオートガイダー内蔵STARBOOKを開発中、2009年2月のCP+で開発担当者が語っていたとあるサイトで見ましたが、現在の価格は100万円にもなり、値引きは消費税分を引いた程度なのでほとんど定価で販売されていると思った方がよいです。また三脚やマルチプレートもかなり高いです。デザインは高級感あふれるものとなっています(グッドデザイン賞)が、巨大SXともいえます。

AXDは機能を詰め込んだ高性能赤道儀、という感じがありますが、初心者でも扱いやすいように開発した、としています。これは近年では初めて望遠鏡を買うのに安い機材ではなく、最初から高価な機材を選ぶことも珍しくない、という点を考慮しているとのことです。

1.素材、V-PECなど

軸材には頑丈な超々ジュラルミンを使用して最大30kgまで搭載できるようにした、とされ、赤道儀本体重量は25kgと重くなっています。

工場で製造後、高性能測定器を使い追尾誤差を測定し、追尾性能±4°を実現しており、この範囲内に収まっていない場合は検査落ちとされ、決して出荷されることはないということです。測定値はV-PECとしてあらかじめ赤道儀内ROMに書き込み、赤道儀の電源を入れる度稼働するようになっています。

2.STARBOOK TEN(SBT)

モーターをパルスモーターに変更したので、コントローラーもそれに合わせて新規開発し、3代目SBであるSTARBOOK TEN(SBT)を搭載しています。追尾エラー補正はP-PECとして、ユーザーが記録し、保存できるようになっているとしています。また、オプションを組み込めばオートガイド(AGA-1と同じビデオカメラを使う方式)やMDカード記録、カメラレリーズ機能、USB機能が使えます。なお、オプションを組み込まなくても外付けオートガイド機能(SIBIG互換)は使えます。

USB機能は今のところ接続する機器が想定されておらず、そのうちファームウェアのバージョンアップで対応するのでしょう。個人的には(ある人のTwitterにあった。ウェブキャブチャ済み)GPS機能が使えれば良いのですが。アンドロイド等からUSBで読みとることは技術的に可能なはずですが。

SBTではテンキー付きに改められ、操作性が向上しています。初代STARBOOKではPEC値は電源を切ると消えてしまうものでしたが、SBTでは電池によるバックアップがあり、電池が切れない限りは保持されます。これは、PCのBIOSが電池によってバックアップされているのと似ています。電池が切れた場合はユーザーで簡単に交換できます(ボタン電池)。

オートガイダーはSIBG端子のものが外付けできますが、別売のアドバンスユニットを取り付ければオートガイダー内蔵STARBOOKとなります。この場合、PC不要でオートガイドが行えます。

前にも書いたことがありますが、SBTは「カッコいいんだよな、これ」という人もいたほどデザイン、カラーリングとも良いです。

※外観は巨大SX

前機種のSTARBOOK版アトラクスと比べると青い色がなくなり、グッドデザイン賞ということで、白とシルバーをベースにした高級感あるカラーリング、デザインは巨大SXという感じに仕上げられています。三脚への固定はただ載せて下から固定するだけで良く、方位調整は赤道儀のシルバー部分にあります。

一番の特徴はやはりデザインとカラーリングで、初代SBとは違いゲーム機っぽさはなくなり、コントローラーらしいものになっています。

AXDからは逆に、先にアトラクスを開発し、その技術をダウンサイジングしたSXPが後に発売されています。

望遠鏡セット:AX103LとVMC260Lのセットが用意されていますが、アイピースは別売なので購入時は目的にあったものを併せて購入する必要があります。初心者の方にも、というのであればやはりアイピースも付属させていただきたいと思います。

AXD単体:赤道儀とウエイト、STARBOOKTENのセットになっています。三脚やピラーは前機種のニューアトラクスとの互換性がないので専用のものを購入する必要があります。また、直接鏡筒を取り付ける方式なので取り付けようとする鏡筒にあった金具を用意する必要があります。取り付けはアトラクス仕様/ロマンスディ規格/タカハシ規格のビス孔が開けられています。プレートホルダーSXの他に、サードパーティが用意しているプレート、タカハシ鏡筒バンドがそのまま取り付けられます。

価格面:値引率は低く98万円前後のショップが多く、価格が載せられないのか中には電話かメールで問い合わせて下さい、というところもあります。

やはり高額な3代目アトラクス

最近では、初心者が最初から高額な機種を選ぶことも多いので、AXDでは初心者向けになっている、とも言われますが、確かに三脚に載せるときは載せる向きの指示がなく、単に北に合わせて載せれば良く、微調整は赤道儀側にあるネジで行えるようになっています。ただ、やはり初心者を意識するなら、セット販売品はアイピースは適宜付属するようにして頂きたいものです。

問題は価格がネックであることで、だいたい特価97万円くらいのところが多く、中にはさらに超特価として要問い合わせとしているところがあります。やはり高額な3代目アトラクス、というところでしょうか。

この機種を見るとやはり天体観測は金持ちの道楽か、と思ってしまうことがあります。とはいえ、そういう身分でありたいものだと思うこともあります。この機種は30kgまで搭載可能、ということですがニューアトラクスと同様に50万円台で20kg前後まで載せられる赤道儀の開発もお願いしたいと思います。

なお、以下のサイトでAXD赤道儀ファーストレビュー記事が公開されているので参考にしてみて下さい。

AXD赤道儀ファーストレビュー(痛い目見てなんぼ)

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あとがき

よく宝くじでも当たらなきゃ買えない、というぼやきがmixi等でも散見されるが、どういう人が、これだけ高価な(自動車を買うかそれとも・・・)赤道儀を買っているのか、ある意味興味がある。

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