SXPクランプ問題はアンフェア 全自動洗濯機で手洗いしますか?

SX赤道儀の現行機種はSXD2、SXPがあり、SXD2はSX赤道儀の機能強化版、SXPはAXDのダウンサイジング機、という設計がされています。

今から10年前に発売されたSXW/SXCは赤道儀クランプの有無が違う他は全く同じもので現在は生産終了となっており、順当にいけばそのうちSBTを搭載したSX2赤道儀等という機種が出てくることも予想されます。

これらSX兄弟に当てはまることは全自動赤道儀であるということであり、今回のテーマ「全自動洗濯機で手洗いしますか?」で論じたいと思います。

SX赤道儀はGP赤道儀の上位機であり、SXWとSXCがあります。SXCは全自動方式であり、初期設定で赤道儀ポジションにする場合もSBから行うようになっています。これは、赤緯クランプが装備されていないことからも分かります。SXWでは赤緯クランプが装備されているので、初期ポジションにする場合手動で行うこともできますが、基本的にはSBで行います。なお、SXCも赤緯クランプユニットに取り替えればSXWになりますが、これなら最初からSXWを買う方が価格面からも良いでしょう。

SXWの材質やベアリング個数などを見直したのがSXDで、その上位機としてSB版ニューアトラクスがありましたが、DCモーターを使いこなすことができなかったのか、短期間で生産終了となり(特にSB版NATは黒歴史同然)、以降主力機はパルスモーターに切り替えられました。

パルスモーター制御のAXDとそのダウンサイジング機SXP

AXDは価格を意識せずに納得いくものを設計する、という担当者の通り、ニューアトラクスの倍になってしまったものの、初心者向けの赤道儀としては機能満載、という製品になりました。初心者向けと書いたのは、このような最高級赤道儀はかつては上級者が買うものでしたが、最近では初心者が最初から選ぶこともある、ということからです。

AXDのダウンサイジング機として出たのがSXPで、アリミゾをオプションとすることで、鏡筒バンドを直接ネジ止めでき、他社製鏡筒を取り付けるのも比較的簡単になりました。そのためか、SXPにタカハシ製屈折鏡を載せて使う例がよくありますし、望遠鏡販売店でもセット販売が見られます。

SXD2はSXの機能強化版であり、SXPと5万円差なので、SXPからすれば厄介な弟機が出た、という感もありますが、機能的には中途半端な感じがあります。

SX兄弟は全自動が前提であり、その証拠としてメモリ環が装備されていません。AXDにはメモリ環が装備され、手動導入も考慮されていますが、あくまでも自動導入が前提になります。

赤道儀のマニュアルは、VixenサイトからPDFでダウンロードして読むことができますが、SXPのマニュアルを読むとSBTを使い全自動で操作するように書かれており、手動導入は前提になっていません。

SXPクランプ問題は、手動で天体を導入していざクランプを締めると動いてしまう、というものです。だから問題だ、という意見がネットで散見されますが、元々全自動前提で設計されている機械を手動で操作することまでメーカーは責任は持てないことでしょう。これでは全自動洗濯機で手洗い洗濯ができない、といってクレームを付けるようなものです。

SX赤道儀の生産終了とSS2000PCの修理対応から

最近SX赤道儀は生産終了となりました。ミードやセレストロンの主力機はDCモーター制御であり公式サイトには良い天体写真が多く載っていますが(勿論ユーザー投稿)、結局DCモーターを使いこなすことができなかった、という見方をすることもできます。今後順当にいけばSBTを搭載したSX2赤道儀が登場することも予想できます。

SX赤道儀が登場する前の自動導入装置、SS2000PCは2003年に生産終了、その後2003年末と2005年初頭に再生産され、それをもって最終生産となりました。

一般的な家電製品やパソコンの修理対応は、生産終了後7年間部品を保有となっており、例としてPC-9821シリーズは2003年に最終受注となり、2010年に修理等サポート終了となっています。SS2000PCの修理サポートは内蔵電池交換とSS2000→SS2000PCへのバージョンアップを除いて終了しており、やはり7年対応と見て良いでしょう。それ以前のスカイセンサーはすでにサポート終了しています。

SX赤道儀とSBもやはり7年経てばやはり修理対応終了、となるでしょうから、永久に使える機械はないと考えておいた方が良いと思います。10年使って元を取る位の考えで臨むと筆者が最初に買ったGPD+SS2000PC+C8EXも元は取れたということになります。まあ、鏡筒は一生ものと考えても良いでしょうが・・・。

そういう中でも、GP以前のSP/SPDX、さらにそれ以前のニューポラリスや初代ポラリスを大事に使っている人もおり、考え方もいろいろとありますが、彼らの姿勢は参考となります。

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あとがき

どんなに良い機械でも、設計にあわない使い方をすればアンフェアな批判になる。SX兄弟はあくまでも全自動で設計されており、SBTで自動導入するのが正しい使い方と思う。SXWはいろいろいわれるが、カラー液晶ナビゲーションを初導入、という点を考えればやはり名機だったと思う。

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