TK80シリーズ NECトップシェアの原点

ワンボードマイコンと呼ばれるものが1976年頃から発売され始め、基盤むき出しなのでハードウェアの学習にはもっとも向いており、今でも専門学校などで実習用に利用されている例があるかと思う。

TK80というNECが出したマイコンもNEC製のμCOM80ファミリーを使いこなすためのトレーニングキットとして発売されたものだったが、メーカーの想定していなかったホビー用途にも多く利用されたという経緯があった。

TK80(初代)の仕様

  1. CPUμ
    PD8080A
  2. ROM
    μPD454D 3個(モニタ書込済)
  3. RAM
    μPD510C 4個実装済/最大4個実装可(1Kバイト)
  4. パラレルI/O
    μPD8255C/8ビット並列ポート×3組(但し、一部キーボードのスキャニングに使用)
  5. シリアルI/O
    μPD8255Cのポート2ビット使用110ビット/秒
  6. 動作モード
    シングルステップ/自動
  7. 入力動作
    キーボードスイッチ25個
  8. 表示装置
    7セグメントLED8桁
  9. 消費電力
    +5V 1.1A以下、12V 01.5A以下
  10. プリント基板
    310×180㎜
  11. 価格
    88,500円
  12. 発売
    1976年8月3日
  13. 売上台数
    17,000台(1977年10月まで)

※キットなので、自分で半田ごてをもって組み立てる必要があるが、中学校の技術家庭レベルである。

TK80はワンボードマイコン

TK80では電卓のようなテンキーがついており、これで入力を行った。それ以前のワンボードマイコンはテレタイプを接続しないとデータの入力ができず、若しくはトグルスイッチとLED表示器を組み合わせたボードを接続してトグルスイッチをオンオフしてデータ入力するようになっていた。

後にBASICを利用するためのオプションであるTK80BSが発売され、TK80と接続して利用した。後にこれの完成品であるCOMPO-BSが発売された。またTK80の簡易版といえるTK80E、PC-8001発売後もCPUを8085に変更しCMTインタフェースを標準装備としたTK85が発売された。

参考までに書くと、ワンボードマイコンにはシャープや富士通からも8ビット機、東芝からは12ビット機、富士通と松下のパナファコムからは16ビット機が発売されていたが、すべて基盤剥き出しのもの。

オプション、その他

TK-80BS、つまりBasic Stationとして販売されていたのはTK-80と重ねて実装できる基板で拡張RAM、BASICインタープリタのROM、キーボードインターフェイス、キャラクタディスプレイ用V-RAM、カセットインターフェイスを装備していた。製品にはこれに加えて基板を接続するバックプレーン、キーボードなどが含まれていた。

その後、BASICマシンとして販売されたCOMPO-BSは電源、カセットテープドライブを装備したケースにBasic Station基板を収めた完成製品であるがこれにはTK-80基板は含まれていない。プロセッサユニットは、バックプレーンボード上に実装されていた。 このプロセッサ基板には当然LEDディスプレイ、キーパッド、TK-80モニタープログラムなどは実装されておらず電源投入でBasic環境が起動するようになっていた。

完成品のCOMPO-BSとは別にケース、電源は部品としても販売されていた。部品のケース購入するとTK-80基板とBasic Station基板を重ね、バックプレーンで接続したユニットとキーボードを内部に装着し完成品のCOMPO-BSと同等のものにできた。この構成では Basic環境を起動するためにTK-80のキーパッドを操作する必要があるが、このケースはキーパッドの上部が開閉可能なフタになっており自由にTK- 80基板を操作することができた(完成品のCOMPO-BSも同じケースを使っていたので、このフタもあった。もちろん、開けても下の基板が見えるだけである)。

TK80とPC-8001

  1. 1977年5月:TK80E 67,000円(EEPROM→マスクROM)エコノミータイプ
  2. 1978年12月:TK80BS128,000円と関連製品発表 BASIC搭載。
  3. 1979年4月:COMPO-BS/80の発売。TK80BSをケースに入れた完成品。
  4. 1979年5月:PC-8001発表。発売は9月。168,000円。
  5. 1980年5月:TK85 44,800円、CPUは8085に変更、CMTインターフェイス標準搭載。

COMPO-BS/80の発売の1ヶ月後には名機といわれたことがあるPC-8001が発表されている。TK80の発売から僅か3年程度で完成品のPC-8001が発売されているのは技術の進歩が早いということでもある。

Bit-INNはTK80の発売後に開設され、現在は閉店しているが、ここでサポートを行った他、マニュアル類も完備していた。その後続くPC-8801、PC-9801とNECのPCは一時9割のシェアを誇ったことがあるが、このワンボードマイコンが爆発的に売れたことも無関係ではない。

この頃にはマイコン雑誌(当時はパソコンではなくマイコンと呼ぶのが一般的)も相次ぎ、読者投稿のプログラム(主にゲーム)がよく掲載されていた。

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あとがき
TK80にTK80BSを接続すると、ディスプレイに家庭用テレビが接続でき、データ入出力にはカセットテープが利用でき、キーボードもフルキーボード(テンキーなし)となった。マニア向けとは言え、簡易な8ビット機のシステムが構築できたわけである。用途はアセンブラ(機械語)やBASICの学習が主体であったが、ゲーム等ホビー用途にも相当利用された。
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