Windowsは元はMS-DOSに被さるOSだった

Windowsは、現在でこそコアから32ビットまたは64ビットで作成されていますが、以前はMS-DOS(PC-DOS)に被さるOSであり、現在のWindowsは1993年に発売されたWindowsNTがその基本です。

このため、2000年まではMS-DOS+WindowsがベースのWindows95系統とコアまで32ビットで作られたWindowsNT系統に分かれていました。現在はすべてWindowsNT系統になっています。

Windows以前のMS-DOSシステム

MS-DOSはマイクロソフトが開発したOSで、IBMがPC-DOSの名前で自社PCに採用したことで標準OSになった経緯があります。それ以前は、CP/MとMS-DOSが競合していました。8ビット機全盛期はほとんどDISK-BASICでしたが、OSが採用されるとすればCP/Mだったものです。8ビット機ではマイナーだったMS-DOSでしたが、16ビット機ではMS-DOSが標準OSとなり、MS-DOS対応のパッケージソフトを買えば必ず一緒についていた時代があります。PC-9801用のソフトの一太郎などでは4.3までは必ずMS-DOS2.*がついていたので、買ってすぐに一太郎が使えたものです。MS-DOSは3.*バージョンからは単体販売のみとなります。

MS-DOSはUNIXの簡易版だったので、コマンドプロンプトの画面から命令語を打ち込んで操作する必要があり、今のようにアイコンをクリックすれば簡単に操作できるGUIは付属していませんでした。またフロッピーベースで使う分にはすぐに目的のソフト(一太郎など)が立ち上がりましたが、HDDに複数のソフトを組み込んだ場合はその都度CONFIG.SYSとAUTOEXEC.BATを書き換えて使わなければならないという面倒な場面に遭遇することもありました。

HDDメーカーはこのような面倒なことを避けるため、独自開発したメニュープログラムを付属することが多かったです。緑電子のSOSとか単体販売では前略ハードディスク殿等がありました。

Windows2.*まで

16ビットコードで書かれたWindows1.0から発売されており、PC-9801VXモデルではインストール済みとしたラインナップも設定されました。Windows2.*では16ビット機用と32ビット機に対応したWindows/386が設定されており、当時のi386SX/i386DX搭載機なら後者を使うことで、パフォーマンスをが発揮されましたが、まだWindows専用のソフトは少なく、MS-DOS用のソフトを切り替えて使うことが主な使い方だったといえます。

Windows3.0

1年遅れで日本発売されたWindows3.0は数枚のフロッピーで提供されるパッケージでしたが、操作しやすい(現在ほどではないが)GUIと美しい(?)画面で結構人気が出たようです。なおPC-9801用は何故かNEC版ではV30搭載機では対応がなかったですが、互換機メーカーのEPSON版では対応がありました。

マルチメディア対応は別売で用意され、インストールすればとりあえずマルチメディアが楽しめました(Windows3.1とほぼ同じ)。

Windows3.0とPC/AT互換機の上陸

当時主力だったPC-9801では価格が高く、386DXマシンでは448,000円(HDDなしの定価。実売価格は30万円後半程度)だったのに対し、PC/AT互換機では486機で20万円台で買えましたから、まだDOS/Vが普及していなかった当時は個人輸入するユーザーもありました。

1992年にDOS/V機が本格的に上陸を始めると、まだ日本ではWindows3.0用のソフトは個人向けがあまりなかったですが(マイクロソフトのMS-WORKSはWin3.0に対応)、MS-DOSの方はDOS/V対応ソフトも徐々に発売が開始されました。

Windows3.0を使うのに必要なシステム

32ビット機が普及してきている時期だったので、Windows3.0を意識して買う人が多かった筈でしょう。PC-9801DAという機種ではサードパーティのメモリを増設し、HDDを取り付けるか内蔵させてから、MS-DOSをインストールしてからWindows3.0を改めてインストールしました。実際にWindowsを使うにはMS-DOSのコマンドプロンプトから立ち上げることとなりますが、CONFIG.SYSとAUTOEXEC.BATを設定すれば電源を入れて自動で立ち上がるようにすることもできます。

Windowsの本格的な普及は3.1から

Windowsが本格的に普及するのはこれまた1年遅れで日本発売となる3.1からです。3.1の時代になってもMS-DOS版のソフトは発売されていましたから、本格的に普及するのは1年後の1994年頃からです。

3.0や3.1でもサードパーティの内蔵HDDを買って自分でインストールする方が、手間がかかりますがインストール済み機を買うよりは安くできました。

あとがき
Windows3.1は32ビットCPUでなければ動作しないが、実際はwin16というAPIが用意された16ビットWindowsだった。32ビットCPUなのに16ビットWindowsではもったいない、ということで開発されたのがWindowsNT(噂ではNT OS/2という名前が用意されていたとか)なのである。
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