シャープX1シリーズ/基本部分は最後まで仕様変更しない

シャープのパソコンには、既にMZシリーズがありましたが、このX1シリーズは開発部署が異なりテレビ事業部が行っていた製品で、これは後継機のX68000も同じです。MZシリーズと共通しているのは、BASICをROMで持たない「クリーンコンピュータ」と呼ばれる設計となっていることです。

このため、最初にBASICをテープまたはFDから読み込ませないとプログラムは稼働しませんが、オプションでROM-BASICを搭載することも可能でした(8RB01)。

テレビ画面とパソコン画面のスーパーインポーズが大きな特徴であり、スーパーインポーズ画面をビデオ録画するのも簡単でした。パソコンのキーボード やプログラムから、テレビチャンネル制御や音量を調整するのも簡単であり、「パソコンテレビ」という愛称で一般的には知られています。

初代機だけ本来ついてくるのは常識である筈のビデオRAM(G-RAM)が何故かオプションで、ビデオRAMをつけずに販売し、後で顧客からクレームが来たという逸話もあります。

X1シリーズ製品ライン

X1 CZ-800C(マニアタイプ):1982年11月発売。初代機。X1C・D の発売時に「マニアタイプ」という愛称が付けられ、本体色はローズレッド(R)、スノーホワイト(W)、メタリックシルバー(S)の3色が用意される。本体価格は155,000円。本体+専用ディスプレイテレビ+G-RAMで合計30万円の設定だった。初代機のみ何故かG-RAMがオプション扱いで、以降はすべて標準装備。拡張I/Oポートもオプション。

X1C CZ-801C:1983年10月発売。価格119,800円。本体・キーボード一体型で、プロッタプリンタが内蔵可能。拡張I/Oポートは専用バスに接続するタイプの外付けオプションが用意された。愛称「アクティブタイプ」。本体色はローズレッド、シルバーメタリックの2色。

X1D CZ-802C:1983年10月発売。価格198,000円。3インチFDD1基を搭載した機種。後に発売されたX1専用データレコーダーを接続しても本体からコントロールすることが出来ず、テープ版ソフトウェアの使用に支障をきたした。キーボードはマニアタイプと同様で、カセットコントロールキーが廃されている点のみ異なる。愛称「プロフェッショナルタイプ」。本体色はローズレッド、シルバーメタリックの2色。

X1Cs CZ-803C:1984年7月発売。価格119,800円。X1Cのプロッタプリンタ用スペースに拡張用I/Oポートを2基内蔵したもの。本体色はローズレッド、シルバーメタリックの2色。

X1Ck CZ-804C:1984年7月発売。価格139,800円。X1Csに漢字ROMを搭載したもの。

X1F:1985年7月発売。turbo開発時のノウハウをフィードバックした NEW BASIC(CZ-8CB01/8FB01 V2.0)を搭載。これ以降、FDD搭載モデルには漢字ROM(第一水準)が標準装備された。turboと同タイプの薄型キーボードになった。デザイン等 は微妙に異なる。本体色はローズレッド(R)、オフィスグレー(E)の2色。turbo発売以降初のX1であり、従来のNMIリセットボタンの他、 turboと同じIPLリセットボタンが装備された。

  • model10(CZ-811C) : データレコーダー内蔵。価格89,800円。
  • model20(CZ-812C) : 5インチ(2D)FDD×1基内蔵、オプションでもう1基増設が可能。なお、ローズレッドのFDDインジケータの色は緑。外付け用FDDインターフェース搭載。価格139,800円。

X1G:1986年7月発売。縦置き可能な筐体を採用。本体色はブラック(B)とオフィスグレー(E)の2色。ファミコンと同タイプのX1ロゴ付き十字型ジョイカードを同梱。キーボードがこれまでのメカニカル方式からメンブレン方式へ。デジタルテロッパー内蔵のX1turboシリーズ以外では初めて、ビデオ出力端子を装備。

  • model10(CZ-820C) : データレコーダー内蔵。価格69,800円。
  • model30(CZ-822C) : 5インチ(2D)FDD×2基内蔵。X1F model20にあった外付け用FDDインターフェースが省かれる。価格118,000円

X1 twin CZ-830C-BK:1987年12月発売。価格99,800円。「X1シリーズ5年目の回答」。日本電気ホームエレクトロニクスとハドソンが共同開発し、PCエンジンとして発売した「HE-SYSTEM」 を内蔵したハイブリッド機。5インチ(2D)FDD×1基搭載。本体色はブラックのみ。本体前面にX1twinとエンボス加工。キー ボードのロゴもこれまではX1ロゴのみだったのに対し、X1twinのロゴが金文字プリントがされている。X1シリーズの最終機種となる。ちなみに、X1 部分とHE-SYSTEM部分は同時に起動でき、専用ディスプレイTVを使用するとスーパーインポーズで重ね合わせて画面を見ることが出来た。

(wikipediaより)

最終モデルであるX1 twinは、カセット端子がないので、セーブは必要ないものの、クラシックなゲームができるように読み込みだけでも残しておいてほしかったという人もありました。また、FDDが1台しかないので(2代目内蔵はオプション)、フロッピーのバックアップを作るのに苦労させられることになります。低価格を追求するあまり、肝心な点が落ちていると批判する人(よいパソコン悪いパソコン/大庭俊介)もありました。

ハードウェアの基本スペックは5年間変更しないとしており、この思想は後継機であるX68000でも頑なに守られています。このため、オプションを追加すれば、初代機でも最新機種相当になり長期間現役として使うことができました。それ故、モデルチェンジは基本的にはオプション機器の標準装備(漢字ROMやFDD等)のみであり、CPUクロックはZ80A 4MHzと基本的な変化はありません。グラフィックスはNECのPC-8801とほぼ同等で、640*200ドット表示、BASICの命令語も豊富にあります。テキスト画面はグラフィックス画面とは別にあり、画面合成も可能です。サウンドは標準的なPSG3重和音、ユーザー定義文字やアタリ社規格のジョイスティックが使え、ゲームするのに便利です。

BASICはハドソンと共同開発したHu-BASICが提供されており、ゲームなどをする前に、まずBASICをロードする必要がありますが、これは以外と面倒で、オプションでROM-BASICも用意されていました。1985年7月に発売されたNEW-BASICは初代機に遡って使用することができました。

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あとがき
MZシリーズは情報システム部、Xシリーズはテレビ事業部、という違いこそあったものの、クリーンコンピュータ、という思想だけは同じであった。Xシリーズはもっとも長かったシャープの独自規格パソコンである。
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