日比谷線03系は1988年に登場し、1994年までに8両編成42編成が出揃いました。
このうち01F~08Fまでは3扉車、09F~28Fまでは前後2両が3扉車で中間4両に5扉を組み込んだ編成、29F~42Fは全車3扉とした編成です。また制御方式は01F~25Fは電機子チョッパ制御、26F~42FはVVVFインバータ制御となっています。
日比谷線3000系は1986年になるとそろそろ更新の時期になったこと、また床下は機器が一杯で冷房化のネックになっていたことなどから、新車へ取り替えることとなりました。本来1990年から置き換えを開始するところが日比谷線車両冷房実施に合わせ、1988年からにと前倒しになり、当時設計中だった東西線用05系をベースに18M車に設計したのが03系で、内装も共通仕様が多いようです。最初に登場した01Fと02Fは置き換え用ではなく増備車として登場しており、03Fからが置き換え用となっています。
北春日部駅で長時間待機中の03系
これより先に登場した東武20000系は長時間停車時に客室内の保温のため、3扉のうち中扉1枚(5扉車は増設2扉)を閉められるようになっていますが、03系ではそのような仕組みはないので特に冬場は寒く感じられます。
画像は行き先表示は幕式、8両編成すべて3扉車の05F編成です。
01F~08Fまでの編成は、2012年よりVVVFインバータ制御に換装する改造が行われ、2015年までに完了しています。
現在は東急東横線との乗り入れは廃止され、逆に東武線への乗り入れは南栗橋までに延長され、日中は1時間当たり東武動物公園までが4本、南栗橋までが2本となっています。乗り入れ距離が伸びると車両数は足りるのかと思いがちですが、東横線との乗り入れがなくなった分こちらに振り分ければ良いので何の問題もありません。
日比谷線20M車化計画に伴い2020年度までに全車運用離脱
現在日比谷線は3扉車と5扉車が混在しており、ホームドア設置のネックになっています。また東武線内でも20M車と18M車が混在する事から、乗車位置が整わず整列乗車のネックになっています。
日比谷線20M化については、トンネル内の計測上、標識や信号を移設する必要はあるものの、特に20M車が走行する上で支障はないことが確認され、三ノ輪~南千住間の鋼製橋梁も20M車走行に耐えられることが確認されました。
東京メトロは13000系44編成、東武は70000系18編成/70090系6編成を製造して2019年度までに全車20M4扉車7両編成に置き換え、車両置き換え完了後にホームドアを設置が進められました。また東武でも順次ホームドアを設置する意向であることが広報から発表されています。車両は外装や色、ドアエンジンが違う他は共通設計になっており、全車近畿車輛で製造されます。このうち東武70090系は座席指定車「THライナー」にも使用するロングシート/クロスシート転換のマルチシート車です。
18M車8両編成と20M車7両編成では編成長が4M程短くなりますが、半蔵門線に乗客がシフトし、日比谷線は乗客が減っていることから、特に支障はなく、乗車定員もそれほど変わらないようです。
東京メトロの車両は編成が2本増えますが、ホームドア設置により停車時間が増え、所要時間が延びるためです。
03系の廃車は5扉車から開始されており、線路が繋がっているので直接北館林解体場(高田産業)まで東武線上を直接自走して廃車回送されました。東京メトロとしては5扉車を先に淘汰したい意向で行われました。なお先頭車の一部は2両編成化し熊本電鉄/長野電鉄に譲渡されています。北館林にはまだ先頭車が残存しており、どうやらこれも他社譲渡になるようです。