半蔵門線・東急田園都市線との相互直通に備え、1996年に登場した系列です。IGBT素子を採用したVVVFインバータ制御、前照灯にはHID、東武初のワンハンドルマスコン等、当時としては最新の技術が採用されています。画像は東武31607編成準急館林行きです。
当時館林地区のローカル区間では吊りかけ車の5000系統が使用されており、これらを淘汰するため、30000系を本線に投入し、ローカル区間に8000系を割り当てる目的でも製造されました。1999年からは野田線に残る5070系を8000系で置き換える目的でも製造されました。
工場入場などのやむを得ない事情で6+4=10両編成で製造
当時はまだ西新井工場や杉戸工場では10両編成を扱える設備がなく、やむなく6両編成と4両編成を連結して10両編成とするように設計されています。半蔵門線直通開始前は単独での運行の他10000系との併結運転も行われました。
2003年に半蔵門線・東急田園都市線との相互直通開始後、東急側から10両固定編成とするように要請され、2005年から50050系が2代目乗り入れ車として登場、31606F+31406Fと31609F+31409Fを除いて乗り入れ運用からは撤退、乗り入れ機器を50050系に供出して地上線用車に転じています。
31603F+31403Fの編成は一度機器を供出して地上線用に転出したものの、再度機器を搭載して乗り入れ復帰しました。しかし、再度機器を供出して地上線用に再転出しています。
2011年からは31606F+31406Fと31609F+31409Fを除き、全車東上線への転出が行われています。転用の際、中間に入る乗務員室は機器を撤去して簡易中間車化の上10両固定編成としています。
30000系から50050系への機器供出一覧
置き換え時期 | 機器供出元編成 | 機器供出先編成 | 機器供出先編成の営業開始日 |
増備車 | 新品 | 51051F | 2006年3月18日 |
2005年9月 | 31613F+31413F | 51052F | 2006年3月21日 |
2006年4月 | 31612F+31412F | 51056F | 2006年5月3日 |
2006年5月 | 31611F+31411F | 51053F | 2006年5月30日 |
2006年5月 | 31614F+31414F | 51054F | 2006年6月20日 |
2006年6月 | 31601F+31401F | 51055F | 2006年7月11日 |
2006年10月 | 31608F+31408F | 51057F | 2006年11月12日 |
2006年11月 | 31602F+31402F | 51058F | 2006年12月12日 |
2007年2月 | 31607F+31407F | 51059F | 2007年2月25日 |
2007年2月 | 31603F+31403F | 51060F | 2007年3月23日 |
2008年7月 | 新品 | 31603F+31403F | 2008年7月6日 |
2009年1月 | 新品 | 51061F | 2009年1月29日 |
2009年1月 | 新品 | 51062F | 2009年1月29日 |
2009年1月 | 31605F+31405F | 51063F | 2009年3月1日 |
2009年2月 | 31610F+31410F | 51064F | 2009年4月2日 |
2008年12月 | 31604F+31404F | 51065F | 2009年4月13日 |
2009年7月 | 新品 | 51066F | 2009年7月23日 |
2009年8月 | 31603F+31403F | 51067F | 2009年8月13日 |
2009年9月 | 31615F+31415F | 51068F | 2009年9月15日 |
なお残っている31606F+31406Fと31609F+31409Fについても、東上線への転出が行われ、その代わり東上線から50008Fと50009Fがトレードする形で転属しています(車体幅は50050系と同じ2770㎜なので半蔵門線・田園都市線の車両限界上も問題ない)。